かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

太田 愛とゆかいな怪獣たち

『シン・仮面ライダー』で見たいもの

www.youtube.com いやぁ待たされたもんだよ『シン・ウルトラマン』。 当初は2021年夏の公開予定だったらしいが、疫病禍もあってまる一年延期に。 そしてようやく観られた作品は、隅から隅まで“好き”で溢れ返った一大娯楽巨編だった。この“好き”は製作スタッ…

逢瀬

『押忍ッ。戻りました、先輩ッ』 『えーっ。ちゃんとお盆に戻ってきたあっ』 『約束しましたから!』 『……うん。ありがとう。約束守ってくれて、うれしいよ』 『あ、でも、こっちの時間で三日ぐらいしかいられないッス……』 『いいよ。でもちゃんと、次のお正…

陰の勇者たち

「「「……しまった!」」」 気づいた時には、すでに遅かった。 伸ばした手が届いたと思った瞬間、違う、これではない……と、その事実に、“ヒーロー”は、ようやく気づいたのだ。 ヒーローの中に同居する四つの意識のうちみっつは、ほぼ同時に激しい悔恨に襲われてい…

シン・ウルトラマンに望むこと

庵野監督による『シン・ウルトラマン』のヒーローデザインとロゴが公開になった。 これを見て、期待が俄然、高まった。『シン・ゴジラ』はすばらしかった。 なぜかといえば、それがまさにゴジラだったからだ。 ゴジラとはなにか。 科学を初めとする人間の産…

『ウルトラマンタイガ』を観ていてなんとなく思ったこと

今さらの感はあるが、ヒロユキってやっぱヒロインなんだよなポジション的に。 しかもお姫さまヒロイン。 取り巻きの幼なじみ三銃士、憧れの先輩、言い寄ってくる学園のワル。社長とピリカはクラスメート。そう解釈するとスッキリする。 つまりタイガは少女マ…

ウルトラマンの置きどころⅢ

※前回 ウルトラマンの置きどころⅡ - かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』 ※前々回 ウルトラマンの置きどころ - かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』 ※いずれも別に参照しなくてもよいです※ ウルトラマンは神もしくは兵器。 ゆえにこそ、ウルトラマンは物語の中心に置くことが…

私的擬人化計画(2014/10/15)

※この記事は2014年10月15日に書いたものに加筆し修正を施したものです。 ※先駆けて2014年3月28日にこのニュース⇒『宇宙恐竜ゼットンが萌えキャラに「ウルトラ怪獣擬人化計画」Tシャツ第1弾発売』(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1403/28/news088.h…

植松伸夫天才説

まあ今さらナニって話題なんだけどね。 知人とのやりとりで、話が「ワンダバ」に展開した。 ワンダバというのは、『帰ってきたウルトラマン』以後のウルトラシリーズで定番となった、防衛隊スーパーメカの発進BGMのこと。 『ウルトラセブン』まではふつうに…

セブンがおもしろいの。

どういうわけか突如『ウルトラセブン』を再鑑賞し始めた。 といっても一気にぐわーっと入り込むのではなく、半ばはバックグラウンドビデオ的に流して、音ばかりを聞くという感じなんだけどね。 しかしアレだ、そういう邪道極まりない見方をしても、充分にお…

ウルトラマンの置きどころⅡ

※前回『ウルトラマンの置きどころ』https://st79.hatenablog.com/entry/20181130/1543601492 別に参照しなくてもよいです※ それにしても昭和初期作群でのウルトラメンの扱いは、よくできていると思う。 その辺をちょっとおさらいしたい。 象徴的なのは、『ウ…

ヒビキ隊長かっけぇ(本編!)

やっと書く気になったらしいよ。 (前編⇒ヒビキ隊長かっけぇ[という話のはずが]/2018.10.09/https://st79.hatenablog.com/entry/20181009/1539082610) SuperGUTSのヒビキ・ゴウスケ隊長はカッコイイ。 なにがかっこいいといって、まず、あれだけ現場を…

GUTSは濃い(ティガ大好き話シリーズ)

『ウルトラマンティガ』で、ダイゴ以外に好きなキャラクターを挙げろといわれたら? ……いやはや。自分で勝手に問題を提起しておきながら、困り果てる話だなこれは。 レギュラー・準レギュラー陣はだいたい好きだ。 イルマ隊長、ムナカタリーダーを初め、シン…

エレキングが好き

基本的に怪獣が好きだ。 monster や creature ではない。怪獣が好きなのだ。 中でもエレキングは俺にとってエバーグリーン。怪獣中の怪獣。 “宇宙怪獣”エレキング。初登場は『ウルトラセブン』第3話『湖のひみつ』で、これは初オンエア(1967年10月15日)を…

『ウルトラマンティガ』第5話『怪獣が出てきた日』感想(なにを今さら) ※ネタバレあり

定期的に平成のウルトラマン各種を再見するクセがついてしまった。 といっても見るのは平成三部作(ティガ、ダイナ、ガイア)、ネクサス、メビウスの五本だが。ああ、ネクサスに併せて映画『ULTRAMAN』を観ることもあるな。一方コスモスはまず見ないし、マッ…

ウルトラマンの置きどころ

ウルトラマン平成三部作は「ウルトラマンとはなにか」を問い続けたシリーズだったと思う。『ウルトラマンティガ』では突然“光の巨人”にされてしまったマドカ・ダイゴが、ウルトラマンとしての自分と葛藤を続けたし(だからもうひとつの可能性としてのマサキ…

怪獣の流用

もともと円谷特撮は、赤字だらけだったらしい。 特にテレビという媒体と組むようになってからは、毎週放映という条件も重なり、かなり厳しい状態になったと聞く。 そんな状況から当然のように出てきたのが、改造怪獣というアイディアだ。 皆さんご存知の通り…

ヒビキ隊長かっけぇ(という話のはずが)

スーパーGUTSが同窓会をやったというニュースがあった。⇒http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/09/news075.html 写真を見て「いやー皆さんいい年月を重ねられたなー」としみじみ思いつつ、好好爺からはほど遠い木之元亮氏の精悍さと迫力に、改めて惚…

ウルトラ怪獣たちの悲劇

『ウルトラマンギンガ』以降の怪獣たちには、“した怪獣”のメタ解釈を感じている。(参照→『怪獣とはなにか(基礎的分類篇)』http://d.hatena.ne.jp/st79/20170718/1500367247) スパークドールズという概念で過去の怪獣たちを“道具”として扱うシチュエーシ…

ウルトラ・ベスト・バウト――『ウルトラマンネクサス』第35話

ほんの気まぐれからまた『ウルトラマンネクサス』の一部を見ちゃって落涙滂沱。 見たのは最終回『絆』とエピソード35『反乱 −リボルト−』の、それぞれバトルシーンを中心とした計20分程度なんだけどね。それだけで泣くね俺は。 最終回はウルトラマンが連続し…

瀬下さんを出せ!(『ウルトラマンR/B』閑話)

7月7日から、ウルトラシリーズの新作『ウルトラマンR/B(ルーブ)』が始まった。 この春から小学生になった息子はかなり気に入っているようだ。 ダイヤブロックを使って、初回に登場した怪獣・グルジオボーンをつくった。 これが立派なもので、直立二足歩行…

悟った!

あっ。 突如、天啓のごとく結論が降ってきちゃったぞ。 わあ。 驚いた。 個人的な話だけれど、どうも『ウルトラマンマックス』にはノリきれないのね。 平成三部作はどれも好きだし、ネクサスも好きだし、メビウスもけっこう好き。オーブもよかったし、ジード…

相変わらず『ネクサス』礼賛

それにしても『ウルトラマンネクサス』が好きすぎる。 映画『ULTRAMAN』も合わせて、切りどころ捨てどころのない超つきの傑作シリーズだと思うが、わけてもエピソード26『憐』以降の牽引力は堪らない。 もともとは初代ウルトラマンのアップデート&リファイ…

ティガのおばあちゃん(第17話『赤と青の戦い』雑感/ネタバレ含む)

『ウルトラマンティガ』はウルトラへの愛で満ちている。 実際のところ、当時までにウルトラシリーズのフォーマットというものは確立していたわけで、ひとつのエピソードの構築自体は『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の二作で完成していたといってもいいと…

ティガ大好き話(その②)

『ウルトラマンティガ』は本当によくできていると思う。 とにかく新しいウルトラマンをつくろう。そういう気概がまずあって、だから世界からなにから全部ゼロからつくり始めようという意志がある。 そういう作品はたいがいおもしろいが、ティガにはその中で…

俺にとっての『ウルトラマンティガ』

初代『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』、遡れば『ウルトラQ』、この三作品は連携しないそれぞれ単独の作品だったはずだ。 確かに、初代マンにラゴンが登場した時には、Qでのラゴンを踏まえた設定があった。ザラブ星人がケムール人を召喚した時も同様だっ…

ね、ねりおさんッ! ねりお弘晃さんッッ!!

な、なんかamazonでえらいことになってますよ……! おめでとうございます!!(微妙) 劇場版ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします! [DVD]出版社/メーカー: バンダイビジュアル発売日: 2017/07/28メディア: DVDこの商品を含むブログ (1件) を見る

ひとにはひとの、神様。

人間には神が必要だ。 もっともそれは、既存の宗教の中心にあるものとは限らない。 要するにそれは、自分より遥か上位にあって、ものごとの理(ことわり)を司り、超越的な“力”を備えていて、それを信じる者の行動に影響を与えるなにかだ。 だからそれは、父…

怪獣とはなにか(基礎的分類篇)

特撮映画などに登場する怪獣というものは、およそ二種類に大別できる。 “なっちゃった怪獣”と“した怪獣”だ。 他国のことはいざ知らず、日本で怪獣と呼ばれるものは、ほとんどが後者といえる。 ……と無造作に「他国のことは」などと書いているが、個人的には今…

ダイオリウスが憎めない

【ウルトラマンダイナ 第41話『ぼくたちの地球が見たい』】 “この日、輸送客船ガゼル号には、木星衛星上のステーションで生まれた第一世代のこどもたち六名が乗船していた。彼らは、遥か六億キロの航海を経て、人類の故郷・初めて見る地球へ、ようやく近づこ…

【太田 愛の話】太田怪獣の生まれ方(推論)

太田 愛のシナリオ――といっても知っているのはウルトラに関するものだけだが――が好きだ。 もちろんシナリオとして読んでどうこうというわけではなく、映像化されたものを観ての話。 本当はシナリオのかたちのものや、他のドラマや小説にも触れるべきなのだろ…