かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

#263

光があれば必ず影ができるが、闇には闇しかない。もしかすると闇ひと色の世界の方が、すっきりしたものになるのかもしれない……という理由で世界征服に乗り出す魔王っていないのかしらん。

#262

まだ若かった頃は、いずれ違いのわかる男になりたいと思っていた。年を経た今は、違いがわかっても目を瞑れる男、あるいは違いがわからずとも微笑を絶やさない男になりたいと思っている。

#261

恋愛することも才能のひとつだから、向き不向きはある。世間の風潮に押されて「恋愛しなくちゃ!」と思う前に、自分に恋愛の才があるかないかを考えてみた方がいい。もちろん、才の有無にかかわらず恋愛を楽しむ権利は誰にでもあるのだから、才なしと思って…

#260

桃栗がいた。イザベラがいた。渋谷がいてスタパがいてバカタールがいた。玉吉がいてちょりそのぶがいて金ちゃんがいた。忘れちゃいけない、塩崎ウッド仙人がいた。あの頃が間違いなくファミ通の黄金期だった。

#259

誇りに思う友人があると言明できる者のことばには、信用してみるだけの価値がある。

#258

自身の信条に忠実なのは結構なことだが、そういう結構な御仁が無数にいるということは憶えておいた方がいいね。

#257

自分が何者であるかのアウトラインは、何かを得た時より何かを失った時にくっきり浮かび上がる。

#256

明日を語る前に、今日すべきことをするべきだ……そんなことはよくわかっている。問題は、昨日しなければならなかったことを今まず片づけなきゃならないことなんだ。

#255

男が涙を見せていい時は限られている、そのひとつは母親が死んだ時だ……と、どこかのハードボイルド屋さんが言っていた気がする。というわけで、昨日はとりあえず泣いておいた。あんまりハードボイルドな気分にはなれなかった。

#254

価値は与えられて信じるものではなく、自ら定めて主張するものだ。少なくともクリエイティビティによって自身をアイデンティファイする者は、そう認識しておくべきだ。

#253

百の賛辞より一の箴言の方がきっと人生の役に立つだろう。でもできれば賛辞だけを聞いて生きていたい。その方が楽しく過ごせることは、まず間違いないことなのだ。

#252

本能を疑う社会は、多分いい社会だ。本能を否定する社会は、間違いなく悪い社会だ。そして本能をまるごと肯定すると、それは社会として成立しなくなる。

#251

本物の楽器の音が、三流のオーディオセットから出てくる音に敵わないこともある。聴き手がそれで満足するなら、聴かせる者はその事実を甘んじて受け入れるべきだ。もっとも、聴き手がそれで豊かになれるかどうかは、また別の話だ。

#250

すっきりしたもの、さっぱりしたものにはとりあえず用心した方がいい。それがすっきりさっぱりしているのは誰かの手が入っているからで、そしてその誰かの目論見が自分の目論見と一致するとは限らないのだから。

#249

模型の趣味は実用性のないところに価値を見出す趣味だ。実物の機構はすべて実用性を目的とするが、模型の機構は通常、すべて実物を模倣することを目的とする。それは、実用性という限定された目的よりも、よほど形而上的な目的といえる。

#248

オリジンであることは重要だが、取り立てて気にかけるべきことでもない。とどのつまり誰もがオリジンであって、同じことをしたとしてもまったく同じにはならない、なり得ないからだ。かといって、その差がどれほどのものかというと、まあ大概は大した差にも…

#247

模倣者がいなければ流派は生じない。

#246

生きても死んでも文句をいわれるのなら、生きて周囲の反応を見ていた方がおもしろい。

#245

地球上のあらゆる生物の中で、自身の存在意義に疑問を抱くのはおそらく人間だけだ。ただそのことだけで、地球上のあらゆる生物の中で、人間が最も愚かであることがわかる。

#244

胃薬を飲まずにすむ人生はさぞ快適だろうと思うが、それは胃薬で胃が落ち着く気分を味わえない人生なのだと思うと、わずかではない不足を感じる。

#243

ひとは何であれ信ずるものをもっておいた方がいい。ご存知の通り、信仰をおこなうにはエネルギーが必要だからだ。信ずるものがない者は、余ったエネルギーで何をおっぱじめるやらわからん。

#242

「豪放磊落な性格ってどんなん?」と問われて、「んー、花を摘みにゆくようなロマンティスト?」と答えた女性を自分は知っている。その時は意味がわからなかったが、あとで go for lilac と勘違いしたのに違いないと気づき、彼女こそロマンティストだと思っ…

#241

世界に赦しが存在しないと思う者は、世界をそれだけ突き放して考えようとすることが可能な分だけ幸福だ。圧倒的な事象に見舞われた時、ひとには赦しを乞うぐらいのことしかできない。そういう事象に未だ遭遇していない者だけが、世界を突き放せるのだから。

#240

赦しを乞う者は赦され得ると思えている分だけ幸福だ。実は世界に、赦しなど一切存在しないのだから。

#238

悔いるべき事態が出来した時、その責をすべて自分に見出して懊悩するのは、愚かなことだ。だが、その責をすべて他者に見出して怒ったり嘆いたりするのは、もっと愚かなことだ。……って、あれ? これ昨日の格言になっちゃったよ(泣)これで連続投稿記録はまた…

#239

学ばぬ者こそ最も幸いな者だ。その者にとって世界は常に新鮮であり続け、驚愕に満ち溢れ続けるのだから。もっとも周囲の大迷惑は度外視しての話だが。

#237

踊る阿呆と見る阿呆は、阿呆という結果においては同等なのかもしれないが、阿呆に至る道程はまったく異なるはずだ。ならば、両者を比較することには難があると思うのだがどうか。

#236

できなかったことを嘆くのは、挑んだ者の特権。挑まない者には、できないという経験すら得られない。

#235

年長者の意見には耳を傾けた方がいい。もしそれが実のある意見であればいわずもがなだし、結局は単なる老人の繰り言だったとしても「なぜこいつはこんなくだらんことに人生を費やしたんだ?」と考えるきっかけになってくれる。つまり、いい暇潰しになるって…

#234

なにもする気が起きない時は、なにもしないのが一番いいよ。なにかしたい時でも、なにもしないのが一番よかったりするんだから。