かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

#2773

誰かへ攻撃することでしか自身の立ち位置を確認できないというのは、人類としてごく当然のことだ。だが人間としては否定されざるを得ない。

#2772

自分にできるのだから他者にもできて当然と思うことと、自分にできないのだからほかの誰にもできなくて当然と思うことは、同じ程度に傲慢だ。

#2771

『なぜ?』をどれだけ多く準備できるか。それが頭の良さの土台になる。その『なぜ?』に対する解は、頭の良さより知識の豊かさが与えてくれる。

#2770

それが異常なことと気づくのは直感に因るものとして語られがちだが、実際は感覚として認識されるほど奥深いところにある経験の記憶に基づくものであって、だから本当に危険な目に遭ったことのない者は危機へ至る異常に気づくことができない。

#2769

そこになにが見えるかはひとによって違うんだから、周囲のひとに感動を強要するのはやめなさい。そしてあなたも感動する誰かに無理に協調する必要はないんです、あなたがあなたの感動の規準をもっているならばね。

#2768

出来の悪い子ほど可愛いというが、結局のところそれは、「出来の悪い子は手間がかかる」「手間をかける自分に存在意義が与えられる」「自己肯定の機会を得られる」といった程度の話だ。そもそもそんな比較をせず、単に可愛いと思っていればよいではないか。…

#2767

演奏するのが簡単な曲ほど作るのには手間がかかるものだよ。

#2766

深刻ぶれば賢く見えるのはせいぜい十代後半までの話で、二十歳を越えてそんなことをしても誰も感心してはくれない。だが、だからといって気楽に明るく振る舞えばよいかといえば、そういうものでもない。肝心なのは『どう見えるか』でも『どう見せるか』でも…

#2765

ニセモノをつくれるのはホンモノを知る者だけだ。

#2764

大局を見る力のない者が不利益を被ることは古今東西を問わず定まったことだが、困るのはそういう者がしばしば被った不利益を不利益と認識する能力すらもたない点だ。不利益の認識がない以上、大局を見ることへの動機もない。成長も進歩も期待できないのだ。

#2763

かつての知識の価値は記録や伝達の手段が不全だったために生じたもので、ゆえに伝達の手段がない知識は省みられることがなかったが、伝達が充実した今、知識は得た者の内部を充実させるためにこそあるものとなり、その価値はむしろ高まったといえる。つまり…

#2762

成し得たことを誇るより未だ成し得ぬことがあることを誇るとよい。成し得ないと思うのは成したいという意志があることの証だし、それは可能性と呼ばれるべきものだからだ。

#2761

迷うのは選択肢が複数あればこその話で、豊かといえば豊かな状態ではあるのだ。

#2760

やる気の有無と結果の良し悪しは関係ないのだから、単純に成果をあげたいのであればやる気の評価などする必要はない。努力もまた同様で、いつまで経っても成果に結びつかない努力の評価も必要ない。だからやる気や努力を評価する集団は、単純に成果をあげた…

#2759

「わからないからやらない」ってのはだね、やらんからわからんのだ。

#2758

『好き』の表明が恥ずかしさを伴うのは、『好き』が自身の価値観の明確な露呈であり、その表明は即ち自身の本質の漏出になるからで、自身の最も繊細な部分をまる曝しにすることに対する不安が恥ずかしさとして顕現するのである。

#2757

理不尽と感じられる場合、たいがいは自分から見えない部分に自分の理解が及ばない種類の理があるもので、つまりたいがいのことに何らかの理は通っている。つまりそれは理が尽くされているか否かの問題ではなく、理不尽を感じさせるものがその理を周囲へ充分…

#2756

生きるってことは面倒とつきあうことだし、そもそも生きていること自体が面倒の極みなんだから、面倒とは仲良くやっていった方がよいと思うよ。

#2755

悩むことと悩みに呑まれることは当然ながら違う。悩み慣れないうちは呑まれて不幸に陥るが、達人になると自身の悩みを俯瞰しておもしろがることもできるようになる。要は悩むこと自体に問題はないから存分にお悩みなさいということだ。

#2754

逃げ足は早さ重視か速さ重視か、一度は考えておく必要がある。フライング気味で逃げ出して逃げおおせるか、スタートは遅れてもスピードで振り切るか。自分の適性に合った逃げ方を知ることは、生き残るために大切なことだ。

#2753

まぐれであれ実力であれ結果を出した者が評価されるのは、それが偶然のゆえか必然の産物なのかは結局のところ本人にもわからないからだし、当人以外にとってはどちらでもかまわないからでもあり、そして結果というかたちで表へ出てこないことには誰もそれを…

#2752

獲らぬ狸の皮算用も芸のうち。

#2751

生きていてほしいと願う誰かがひとりでもいるうちは生きていられるもんだが、偶さか目が曇るとそのひとりの姿すら見えなくなっちまうのが人間ってもんだ。だから、見えるものだけを信じるな。見えないところにもなにかはある、必ずある。

#2750

どんな時でも自分はとどのつまり一匹の生物だってことを忘れちゃいけない。

#2749

趣味とは成果で語らないものごと総てのことだ。

#2748

好きなことをして生きてゆくのと、好きなことだけをして生きてゆくのとでは、後者の方が圧倒的に不幸だ。絶対値をもつことができない人間という生物にとって、比較対象がない状態はなにもないことに等しいからだ。

#2747

イヤなことはイヤと言え。うれしい時にはよろこべ。好きなひとには好きだと伝えろ。だが嫌いな相手に嫌いだとは言うな。言わずにただ離れろ。

#2746

一度でできないなら二度に分けてやればよいし、それでも難しいなら三度に分ければよい。仕上がりがまったく違ってしまうならとにかく、大概のことは分け方さえ正しければ結果は同じになる。それでもやらないのなら、やらないことを胸を張って主張したまえ。

#2745

その世界に寄り添うかどうかはどうでもよい。その世界を認めるだけでよい。なんの話かって? そういう疑問そのものの話さ。

#2744

考えるという行為は後天的に学習する技能のひとつだから、考え方を知っている誰かにきちんと教わらなければ身につかない。巧拙や向き不向きはあるにせよ、どんなひとでも生まれつき考え方を知っているわけではないんだよ。