かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

#1346

ニセモノでいいんだよ、アタマでやることはね。だいたい人間が考え出したことには、最初からホンモノなんてないんだ。理屈から出てきて形に収まったものは、不自然なものばかり。つまり全部がそもそもニセモノなのさ。おとなになれないって? 無理だろう、お…

#1345

時間が限られる生活を送っていても時間の余裕のある生活を送っていても結局時間は足らなくなる。

#1344

ひとが無防備になれなくなるのはいつからなのだろう。初めの頃ひとは、護るという概念をもたない。ただ長らえたいという意識だけをもっている。だがある時から長らえるのを阻む対象を特定し、その時から護るという概念をもつようになる。それでもしばらくの…

#1343

ことばは言うほど安くなるなんてのは嘘だね。どんどん言ったらいい。言ったことばが安くなるのは、言った回数のせいじゃない。言ったことと当人の行動のズレが言うたびに明らかになり、当人の株が安くなっているだけのことだ。行動とことばにズレがなければ…

#1342

一日にひとつふたつの積み残しが増えるのは、むしろ存在が肯定されている証拠。積み残すほどのことも与えられないよりは、きっとずっと幸福。

#1341

人々が求めるのは概して「何があったか」ではなく「何が悪かったか」であり、そしてそれは必ず自分以外の誰かに責任を帰されるべきものである。さらにいえばそれは、遠く離れた場での出来事で自身にはまったく影響がなく、それでいて自分が当事者であるかの…

#1340

罪には罰が必要だが、それは人間が与えるものではなく人間がつくったシステムによって与えられる。これは巧妙な仕組みであって、システムに責任を寄せることにより人間が新たな罪を背負わずに済むようにしているのだ。もし人間が直接に罰することになれば、…

#1339

問題は教育システムの充実や啓蒙で愚者を減らすことではなく、愚者をどう制御し操るかだ……と昔から“独裁者”は思っていたんだろうが、まさか独裁者そのものに成り上がるとはね。まるで安っぽいコメディ映画のようだよ。

#1338

歓迎できないことが起きた時、自分だけがいつもワリを食うと事態を恨むか、誰かが食らうならこういうこともあると引き受けるかの態度の差は、歓迎できることに対する態度とも連動していて、当然ながら引き受ける派の方が最終的な満足の数は多くなる。

#1337

自身というものを備えていれば、自身というものはおのずと外に顕れる。どう糊塗しても隠せはせず、なにかを演じても必ず滲み出る。逆に一貫したものが顕れない者は自身というものを備えておらず、これは即ち自身について深く省みた経験をもたないということ…

#1336

自身の愚に悩む者は愚者ではない。自身の愚を誇る者は愚者である。自身の賢を恃む者は賢者ではない。自身の賢を疎む者は賢者である。

#1335

目的をもつことは重要だが、達成はさほど重要でもない。むしろ達成に囚われると、人間は道を誤りやすい。

#1334

どうもアレだね、「器じゃない」その一語に尽きるんじゃないかね。目一杯でも三年先しか見ていないんじゃないか。自分のキャリアを飾り自分が満足するためだけに動いてないか。それじゃあ勤まらない“世界”ってのは、あるんだぜ。個人の責任や成果云々じゃな…

#1333

あらゆることは個々の主観に過ぎないのに共有可能あるいは共有が前提の基本事項と思って疑わない人々がこんなにも多いのはなぜなんだ?

#1332

得るから失うことが恐くなる。失うから得ることが嬉しくなる。

#1331

正しいことをおこなおうと鼻息を荒くするよりも、誤ったことをしないよう深呼吸を繰り返す。それだけでも状況はかなり整うし、生きることに余裕ってものが出てくるんだな。

#1330

世界を平和にする簡単な方法。1)大切なひと、大好きなひとを見つける。2)自分の幸福はそのひとの幸せな姿を見続けることだと決める。3)これを全員で実行する。 以上。

#1329

ひとというものは、三十代半ば頃までに自身の欲望のかたちを見極められなかったら、おそらく一生に渡りその欲望に翻弄されることになるのだろう。

#1328

ひとは基本的に利害の共有で繋がるものだが、知性の優劣によってその繋がり方が異なるようだ。概して知性に優る者は利の部分で繋がり、劣る者は害によって繋がる例が多いように思われる。砕いていえば、知性ある者は得るものの共有によって繋がり、知性に貧…

#1327

江戸の仇は江戸でしかとれないし、仇をとってどうなるものでもない。もし仇をとる生き方しか知らないのなら、いっそ仇なんぞと理由をつけずにそこら中でだんびらを振り回せばいい。仇をとる生き方しか知らない者には、世界中のあらゆる存在が敵もしくは敵の…

少し離れて眺めて御座る

いつも少し離れて御座る 遠過ぎて見えなくならぬ程に離れて御座るいつも少し離れて御座る 寄り過ぎて息苦しくならぬ程に離れて御座る離れた処から眺めて御座る 眺めてことばに写して御座る 己れの判ることばに写せたら 紙やら何やらに記して御座る 己れのこ…

#1326

考えてみれば、愛された経験のない者にとって世界はずいぶん住みづらいものなのだろう。根本的に人間の世界は愛情によって成立しているのだから、愛された経験がないということは存在が未だ肯定されていないということになる。もっとも愛情というものがどう…

#1325

高価な品にそれなりの質があるのは当然のことで、だから具体的なビジョンがないのなら高価なものを選ぶのはひとつの正しい方法といえる。だがビジョンがある場合に高価なものがそれに必ず沿うかといえば否であって、そういう場合にはビジョンに合わせて品を…

#1324

視点! まさにそれこそが大切なもの。二次元的には円だったり三角形だったりその複合的な図形だったりするものが、三次元的に見ればひとつの円錐に過ぎないように、一見はとりとめのない発言もある視点から判断すればひとつの筋の通ったものになることがある…

#1323

そうだねえ、そこそこ生きてきて思うこと、か。言わなきゃなにも伝わらない、言ってもなかなか伝わらないってことだねえ。だから何度でも言うんだよ「大好きだよ」って。言い続けるよ。ずっと。

#1322

ひとは誰もが時代の創作者であり、担い手であり、そして被害者である。

#1321

なにを大切にするかを重んじるか、どう大切にするかを重んじるか。意外に大きな差が生じる岐路かもしれない。

#1320

なかなか“やる”かもしれない。実績はつくった、撤回は周囲の要請による……となれば、公約はひとつずつ果たされることになり、看板にキズはつかないわけだ。結果、責任はすべて自身から離れてゆく。これは確かに政治術だ。ただしそれは個人の行動におけるもの…