かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

#1708

力を制御できるのは力ではない。人間に限っての話ではあるが。

#1707

いいたいことがいえない世の中も恐いが、いいたいことが育まれない世の中はもっと恐い。

#1706

人間には現状を維持したい者と打破したい者があり、打破したい者には打破そのものが目的の者と打破の向こうに目的がある者があり、打破の向こうに目的がある者にはその目的が自分だけのためにある者と自分以外の者のためにもある者があり……と、この辺までく…

#1705

夜の長さより夜明けの早さを恐れるのがおとなってものだよ。

#1704

家系ラーメンの店の看板を見ているうちに、ふと「あぁワカラズヤのヤって屋じゃなくて家だったのかもしれないなあ」と思った。辞書には屋で出ているが、意味合いとしては家の方がしっくりくる。

#1703

理によっておこなわれる政治は上だが、利によるものは下である。信条に基づく政治は上だが、心情によるそれは下である。

悟った!

あっ。 突如、天啓のごとく結論が降ってきちゃったぞ。 わあ。 驚いた。 個人的な話だけれど、どうも『ウルトラマンマックス』にはノリきれないのね。 平成三部作はどれも好きだし、ネクサスも好きだし、メビウスもけっこう好き。オーブもよかったし、ジード…

#1702

やるべきことなんかない。あるのはやりたいことだけだ。だからやりたいことが感じられなくなったら、とっととあとへ道を譲れ。

#1701

運命を躍起になって否定しなければならないほど運命に囚われているうちは運命から逃げ出すことなんかできないんだよ。

#1700

官能とは生命に直結した感覚に酔う作用であって、その点において「なければ死ぬ」という条件を備えたものに起因する官能に勝るものはない。従って官能は必ずしも性的(生殖的)なものではなく、時にはむしろ性的(生殖的)には負の作用をもたらすものが官能…

#1699

多分、生物として認められたかったのだと思う。そしてそれは多分、満たされた。

#1698

温かいものはたいがい正しい。

#1697

道具なら使ってみることだ。ひとなら話してみることだ。でも薬は使ってみちゃいけない。

#1696

誠意とは、それがあれば周囲の空気が必ずよくなる有益なものだが、あることを主張したり誰かに求めたりすればするほど見えなくなるものだから、意識せずに過ごすのが一番いい。

#1695

こどもの頃、母親に「もし戦争が起きたらオレがおかあさんのことを護るよ」と言ったら「そんなことのために産んだんじゃないよ」と言われた。長い間、こどもを戦の危険に遭遇させたくないのだろうと思っていた。自分が親になって、そうではなかったことに気…

#1694

工作が工具の有無により実現の範囲に制限を受けるように――鋸がなければ切断が難しく鑢がなければ切削ができないように――思考はことばの有無による制限を受ける。然り、ことばは思考において素材ではなくtoolとして機能している。

#1693

簡単にできることを簡単にやるのが職人、簡単にやらないのが趣味人。

#1692

恥知らずの困るところは世間のひとびと全員も恥知らずだと思っているところだ。より正確にいうなら、彼らはそもそも恥という概念に疎いから誰かが恥じる様子や恥じる内容を理解できず意味不明の現象としてやり過ごし、恥を訴える者を異常者として排除する。…

#1691

思いがけないところにあるから罠なんだ。ありそうなところにあったら罠じゃない。

#1690

ひとの動機はたった二種類、「好き」か「嫌い」しかない。どちらでもないものは動機とするには足らない、足らないからどちらでもないのである。そして不器用なことに、どちらを動機にするかをひとは選べない。「好き」で動く者は「好き」でしか動けず、「嫌…

#1689

煙草銭に足りない十円のために下げる頭はもっているが、昼食代に足りない二百円のために下げる頭はもっていない。

#1688

誰かのせいにしないと生きてゆけない程度の命ならとっとと棄ててしまえ。その命の維持のためにどれだけほかの命が消費されると思っているんだ。

#1687

攻撃をしなければならないほどの劣勢。

#1686

人間のやる『つくる』は多くの場合『壊す』『棄てる』と同義だ。特に物理的な物の場合、自然が“つくった”素材を人間の望むかたちにするためにどれだけ削り落としたかが“作品”の価値に直結する。人間が望むかたちにするためには、自然の造形をそれだけ崩さな…

#1685

三人寄れば文殊の智恵とはいうものの、それは基本的な知恵のある者が三人集まれば知の象徴たる文殊にも迫るという話であって、凡人が三人集まっても大したものにはならない。まして愚者が三人も集まった日には事態は紛糾するばかりで、知になど金輪際迫るこ…

#1684

物が欲しいわけではない。得た物に映し出される自分が欲しいのだ。

#1683

ただそばにあってほしい、触れていたいと思える誰かの存在。それに勝る充実があろうか。

#1682

人間の器は本人にわからないところで決まる。不思議なものでそれは本人以外の誰もが感じ取れるのに本人だけには本当にわからない。まるで自分自身の顔のようだ、それをじかに見ることは永久にかなわない。

#1681

忘れたくないと願うのは忘れる可能性があるからで、ということはそもそも大した記憶でもない。そんなもん、とっとと忘れとけ。

#1680

難しく考える必要はないが、考える必要は常にある。