笑顔に勝る報酬は滅多にない。その笑顔が一期一会のものだったとしても。

意味を求めてしまうのは無意味の不安に耐えられないからだ。だが実際には意味とは人間が手前の都合で貼りつけたものに過ぎない。それは鏡に自分の姿を映して納得しているようなもので、鏡自体にはまったく理解が及んでいないのだ。

「やる時はやる」なんてのは、やったあとに言うことだよねー。てことはオレ一生言えそうにないなー。（けんきょ）

聞きかじったモラルに責任を預けて胸を張っていられた時期はよかったなあ。気楽で。だがその頃へ戻りたいとは思わない。そんな恥ずかしい真似をするくらいなら、小悪党とか卑怯者と罵られる方がよほどマシというものだ。

気分転換を繰り返しているうちに、気がつけばどこから転換しようと思っていたのかわからなくなってしまった。それでぐるっと巡ってもとの場所へ戻るかというと、戻らないから世界は広い。

誰かへの憎しみをエネルギーにして動く人間は、その誰かを越えることができない。誰かへの尊敬や憧れをエネルギーにする人間も同様。大きくなれるのは自分に忠実な人間だけだ。ただし自分に忠実なら必ず大きくなれるというものではない。器量の貧弱な者は、…

大事なのは座標軸。それをどこへどう置くかが世界の景色を変える。

別に、生きたいように生きているわけじゃない。こういう生き方しかできなかっただけなんだ。自分でもあきれるほど不器用だし弱いんだよ。それが思い切った生き方に見えるとしたら、俺自身がこういう俺自身を認めている、不器用で弱い自分自身を肯定している…

明日が必ず来るものとは限らない。今日が必ず去るものとは限らないからだ。

ベロニカは イオグランデを となえた！ ベロニカの イオグランデが ぼうそうした！ ベロニカは MPを 消費しなかった！ ベロニカの 呪文が やまびことなって こだまする！

とりあえず三回ぐらいは失恋して夢やらなんやらの挫折をひとつは味わい家族のひとりも亡くしてからものを言え。言えるもんならな。

キミが決められるのはキミの境遇をよしとするかしないかだけだよ。他の誰かのことや、まして世界の向かう先なんてキミの出る幕じゃない。そして当然、キミの境遇のよしあしは他の誰かには決められないし、世界がどこへ向かうかに手出しができなくとも、その…

こどもへの愛情は畏敬の念に近い。剥き出しの命に対する感動をできるだけ理性的に表現しようとしたら愛情になった、そういうものだ。

酒でひとが変わるなんてことはない。元に戻るだけだ。酒を飲んでろくでもないことをやらかす奴は、元からろくでもないやつだということだ。

誠実であろうとすればするほど、ひとは曖昧にならざるを得ない。

自分が何者でもないとわかってしまったら落胆すると思っていた。逆だった。

こどもの泣く声ほど“おとな”としての意識を煽り“おとな”であろうと思わせるものはない。こどもの泣く声を聞いてただ鬱陶しいと思うだけの者は“おとな”ではない。

自分を認めてもらいたければ、他者を認めなければならない。こんな単純なことが、どうして定着しないんだろうかなあ。

おもしろいことはいつもそこらにいくらでも転がっている。あとはそれをおもしろがれるかどうかだ。かなしいことも腹立たしいことも同じだ。それがかなしいのなら、それは自分がそれをかなしみたがっているのだし、それが腹立たしいのなら、自分が腹を立てた…

才能を潰すのは無理解ではない。理解する能力のない者が自身の尊厳のため強引におこなう的外れな理解である。

人生にもどこかで種明かしがあってほしいものだね。すべてを看破した探偵が関係者を集めて真相を披露するような瞬間が、人生にもあってほしい。

カッコイイというのは無駄を褒めることばだ。そして無駄なことへの注力は、人間の最も人間らしい営みだ。

何事も始めてみなければわからない。何事も始めてしまえば引き返せない。何事も終わったあとではこともなし。

恐怖は予測から生じ、予測は経験と知性から生じる。だから恐怖の規模は経験と知性の豊かさに比例する……かというとそうでもない。経験と知性の内容には、過去の恐怖が解決された例も含まれるのだ。その相殺が経験と知性のある者の恐怖を薄めている。何事につ…

誤解を否定し解消しようとしているうちはまだ若い。誤解もやむなしと認められるようになって一人前、誤解をおもしろがれるようになって熟成の域。誤解などそもそもなかったと思えるようになったら達人。自身も含め正誤の別なくすべてを同じ地平に並べて俯瞰…

面倒だと思うから面倒になるんだよ。面倒だと思わなければ……あれ？

価値観がなければ価値は生じない。だから価値を否定したければあらゆる価値観を片っ端から否定すればいい。問題は最後に残るはずの価値を否定する価値観をどうするかだ。

いっそ「戦争は最強の経済行為です。弱まった経済を建て直すには戦争しかありません」ってはっきり言い切る政治家がいたら尊敬するんだが。支持はしないけど。

Guncontrol without G leads Uncontrol --- G is for Goodness, or Gentleness, or Gold, and so on.

メチャクチャをやれば狂気になると思っているうちはまるっきり正気だ。真っ直ぐ歩いているつもりなのになぜか目指したところへ向かえなくなると少し狂気に近づいている。すべて大真面目でいささかも自分の正気を疑わずに行動し始めれば、それが本物の狂気だ。