かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

#2148

自分で自分の限界を定める必要はないが、さりとて限界を感じた時にそれを否定する必要はなおさらにない。

#2147

答えはいつだって自分の中にある。外にあると思いたいのはわかるがね。

#2146

逆境を感じるからといって、自分より悲惨な状況の誰かを考えて救いにするのはよくない。それは悲惨な誰かを見下しているのと大差ないか等しいことだし、それはそのまま「今の自分を見て平安を感じる誰かの視線」を肯定することにも繋がる。その視線を肯定す…

#2145

目的が手段を決める。逆はない、あってはならない。

#2144

それが寄り道なのかどうかは俺が決める。

#2143

正しさを考えることとその実行をひと揃いのものと考えてはいけない。理念はあくまでも理念であって、必ずしも実際的なものとはいい難いからだ。理念を現実にどう適用するかには、また別の思考が必要になる。

#2142

結局今日も一日戯れただけ。昨日も一昨日もそう。一年前も。二年前も。おそらく十年前もその前も、毎日一日を戯れただけで過ごしてきたのだろう。そしてそういう自分が、決して嫌いではない。そう思えるようになるまでは長かったが。

#2141

男どもがなぜ出世だの覇権だのにこだわっては争いあうのか知っているかい? 彼らはこどもを産むことができないから力が余ってるのさ。せめて乳児の頃から育児をやらせてみるといい。消耗するし視野が広がるから世の中はよほど穏やかになる。

#2140

なにかをしたかしなかったかに因らず、一日を終えても終えた気分になれない日はある。

#2139

礼を心得ない者に礼を以て対するのは馬鹿馬鹿しいが、さりとて礼を知るなら礼を用いずに相手と対することはできない。それを示して「だから無礼に如くはなし」とするのはやはり礼を心得ない者であって、礼を知るとはそれでも礼を尽くすことなのだ。

#2138

力の及ばぬ相手を罵る者こそ最も人間らしい者だ。ことばを操らない動物たちが他者を罵ることはないし、力の及ばぬ相手に牙を見せることもない。そう考えると人間ほどみすぼらしいいきものは他にない。

#2137

たかが人間。自分の力で生きていると思ったらそれは大間違いで、なにかの力がはたらいて生かされているだけだ。 されど人間。ある日突然命を失うようなことがあっても、それは生きる・生かされるに値しなくなったからというわけじゃない。

#2136

太いのが好きってひとも細い方がいいってひとも、硬くないとヤだってひとも柔らかいのが具合いいってひとも、長さが大事だってひとも短くないと困るってひとも、みんなそれぞれに自分の主張を押していいんだよ。望みが叶わないことも多いだろうけれど、別に…

#2135

今日は昨日の結果で明日の原因。だから今日がろくでもない日だったならそれは昨日の行動が悪かったのだろうし、いい明日を迎えたければ今日のうちに準備しておく必要がある。 たとえばの話。 昨日に突発的な仕事を引き受け片づけた結果として今日は臨時収入…

#2134

まあ確かに事象の吟味法には全体を幾つかに切り分けてパートごとに考察を加えるっていうやり方もあるし、そもそも薄っぺらな処理能力じゃ一度にそう多くのことや大きなことは扱いきれないんだろうが、チョコレートケーキのてっぺんの飾りだけ食って「これは…

#2133

要するに「世界」の認識が甘いんだよ。結局のところ、自分が直接にやりとりしている範囲だけが「世界」だと思っているんだろう? あるいはそういう認識を自分がもっていることすら知らないのかもしれないな。とりあえずいっておこう、キミの思う範囲だけが「…

#2132

火竜が吐き出す炎の息には耐えられた。氷竜の吹雪の息にも耐えられた。だが愛しいものの寝息には抗う術がなかった。

#2131

夢をみる権利は誰にだってあるんだ。そして叶える義務は誰にもない。

#2130

関係において敵を共有できないことは、致命的な打撃にはならない。好きなことを共有できないのも、致命的ではない。致命的なのは、敵があるということ、好きなことがあるということを容認できないことだ。

#2129

いつだって綱渡りだよ。誰だって綱渡りだよ。頑丈な石橋の上を歩いているように思えるとしたら、それは自分の目で足元をしっかり見ていない証さ。

#2128

最初からもっている者の強みは、強烈な喪失感を味わえることだ。それは、あとから得た者が喪失して得る感覚とは違い、時として人格が破綻するほどの衝撃を伴う。そして、だからこそ喪失したものの価値をわからせてくれる。あとから得た者、特に自力で得た者…

#2127

密かに憧れるヒーローが胸の奥にひとりもいない人間とつきあうのは厄介なことだが、ヒーローの奥にヒールを住まわせていない人間とつきあうのはもっと厄介なことだ。

#2126

だから何度もいってんだろ。正義は結果だ、って。始点じゃないんだよ、始点にしちゃいけないんだよ。

#2126

スペックの低い人間が自身のスペックの低さに気づかないのはスペックをはかることすらできない当人のスペックのゆえだが、スペックの高い人間が自身のスペックの高さに気づかないのは周囲の環境のゆえだ。スペックの高い人間はスペックの高い環境に育てられ…

#2125

繰り返し言ったって十全には伝わらないんだから、言わなきゃなおさら伝わらない。言わず言われずに伝わったと思っているならそれは双方そろっての完全な勘違いだし、言わず言われずに伝わるのがホンモノだと思っているなら、それは完全な間違いだ。

#2124

感情にも速度がある。最速は怒りで、遅いのは悲しみだ。だがこれが不思議なもので、その感情の大きさと速度は反比例する。つまり、ものすごい怒りに襲われた時それは遅れて認識され、少し間をおいてから――時には何日もの時間が経ってから怒りというかたちに…

#2123

誇りをもつってのは、自分の中に自分で柱を立てるってことだ。自分の外に誰かが準備した柱に寄り掛かって立つことじゃあない。だいたいが誇りなんてものは無くたって生きるのに不自由しないもんだし、それにすがらなけりゃあ生きられないのはむしろ苦境に陥…

#2122

愚痴は垂れられるうちにいくらでも垂れておくといい。わずかでも知恵がついてしまったら、そのあとは愚痴を垂れるたびに自身のみじめを思い知ってつらさが増すばかりになるからな。誰かを嗤ったり見下したりして自分の座標を求めるのと同じ類の、知恵がつい…

#2121

理屈を軽視してはいけない。単に誰かの賛意を得るだけなら感情的なはたらきかけの方が効果的だが、のちのちまで有効な納得を得るためには理屈が必要だ。もちろんその誰かの中には自分自身も入っている。

#2120

たいがいのことは隙を突けばなんとかなる。というより、隙を狙わないとほとんどのことがうまくゆかない。じゃあ世の中はそれほど抜け目なくできているのかというと、そうではないから隙を窺えるのだ。その辺りの要領を得ることを成長という。