かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

#3283

ことばを聞いてもらうにはそれに値する者と認めてもらうことがまず必要だ。

#3282

どの道、正解がある話ではないのだからね。自由に選び、自由に決めてよいんだ。ただそれは、自身も誰かにそうして選ばれ決められることを選び決めるということでもある。自分だけが選べるし決められるなんて話が、そうそうあるわけがないだろう?

#3281

自分の受ける行為が理不尽に思え始めたら、自分の責を忘れ始めている。初めから理不尽だった場合は別だがね。

#3280

清濁併せ呑むってのは確かに重要なことだ。だがそれでも、決して呑んじゃあならない濁ってものがある。おまえたちはそれを呑んじまったんだよ、しかも自ら喜んで。

#3279

たぶんキミは僕について勘違いをしていたのだろうし、キミからすれば僕がキミについて勘違いしていたんだろう。でもひとつ大きな違いがあるんだ。それはキミは僕を間違いなく安い方へ見積もっていたし、僕は逆だったってことなんだ。それで釣り合っていたの…

#3278

そのつもりがなくても実は生きてるって、けっこう恐くない?

#3277

できない理由を数えている間にできることが通り過ぎてゆく。

#3276

嫌ってなんかいないよ。憎んでるだけ。

#3275

ただひたすら己れの欲望のままに生きることはお勧めしないね。個の中の欲望なんてのは高が知れている、誰でも早晩やりたいことが尽きて人生を終えた気分だけが残る。人は人の中にあって初めて欲望を育める、他者との比較から欲望を生み出すものなんだ。己れ…

#3274

都合よく生きることは決して非難されるようなことじゃないんだ、自分に恥じることがまったくないのならね。

#3273

だから俺は償いなんか求めないよ。償いなんてのは罪人を楽にするためのものであってね、害を被った者のためにあるものじゃないんだからね。

#3272

それを愛と認識するのは別段かまわないが、といってそれが他者に通じる事由、行動の根拠になると思ったら大間違いだよ。愛は個の中でのみ成立するものなんだからね。

#3271

記憶は色褪せない。色が褪せたり失せたりしたように感じるなら、それは記憶を見る目が衰えたか、見えたものを感じるものが濁ったからだ。

#3270

折れた心はまた折れる。といって折れない心は当人にとっても周囲にとっても迷惑だ。適当に折れていればいいのだが、適当がどこのどれほどのことなのかは皆目わからない。結局心は折り目だらけでいつの間にかくしゃくしゃになっている。

#3269

死の恐ろしさより今まだ生きていることの恐ろしさを感じるようになれたら一人前だ。

#3268

問いかけには必ずなぜ問いかけるかの理由があり、問いかけに答えることはその理由に答えることにもなる。それに気づかず答えることで、大概の事情はこじれてゆく。

#3267

なんでまだ生きてんの? と問われて即答できるうちは問題ない。

#3266

人間は簡単に変わる。その変化が周囲にも自身にも好ましくない時、人間は理由をつける。変わったのは自身のせいではなく外部の何らかの事情の影響だとして、そもそも変わる要素を備えていた自身を守ろうとする。だがその理由で騙せるのは自身のみであって、…

#3265

こどもがおとなに甘える姿の快さは、どんな人間も単独では生きてゆけないという事実を誤魔化すことなく真っ直ぐに体現していることに由来している。独りで生きられる、生きてきたという勘違いも甚だしい衒いとは対極にある最も人間らしい姿のひとつなのだ。

#3264

わかるよ、誰かを救いたいんだね。でももうできないね、自分にその能力がなかったと気づいてしまった以上は。残りの時間は過去を懐かしんで過ごすしかないね、残念だね。

#3263

自分を護るために誰かを案ずるとか、わりと最低な行為なんじゃない? まあわかってやってるんだろうけどさ、さすがにさ。

#3262

憎しみのいちばんつらいところは、それとどう別れるか――赦すのか、放棄するのか、それとも何かの結着をつけて終わらせるのかといったことにも悩まなければならないところなんだ。だからいっそ忘れない、憎み続けると決めれば少しは楽になる。憎しみをおまえ…

#3261

今さら幸せになろうともなれるとも思っちゃいないからね、いっそ気楽なもんさ。

#3260

なぁに約束を違えるなんて誰でもやってることさ、気にするな。それより違えた始末をきっちりつけることを気にしろよ、そこで適当こいたらひととしちゃ仕舞いだからな。

#3259

臭いモノにフタしたいんだったら自分がゴミ箱にでも籠もりな。一切の悪臭、とおまえが認識するモノと絶縁できるぜ。ゴミ箱に溜まるおまえ自身のニオイまでは知らんがね。

#3258

大方の理解を得難い欲望の類には愛の一文字を貼りつけておけば大概なんとかなる……のは自分の中だけの話で愛を貼りつけてもあさましさは誤魔化せないんだから開き直ってあさましくなっちまいな。

#3257

フェイルセーフが必要な人間関係なんて当たり前の幾らでもある人間関係じゃないか。そうじゃないものが欲しかったんだ。それを望むことは罪だったのかい? そんなものを求めた俺が悪かったのかい?

#3256

赦しを乞える程度に自分の罪を理解していない。

#3255

「それでも記憶していてもらえるのはうれしい」なんてのは、忘れられない者の苦しみを知らない者の傲慢というものだよ。

#3254

理解してもらいたいのに理解してもらえないのは相手が鈍いからではなく相手へのはたらきかけが足りないのでもなく相手が理解する必要性を感じていないからでつまり相手に理解するために力を割くだけの価値を認めてもらえていないからなんだよ。