かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

#2895

おのれの弱さに悩むならセットでそれに気づいたおのれを褒めてさしあげろ。

#2894

処女膜と約束は、どちらもまず守られるべきものとして在り、いずれ条件が整えばむしろ破られるべきものとして扱われる点が共通している。

#2893

選べないのは選ぶ権利があるからだ。権利がなければ選ぶという選択肢自体がない。

#2892

味見は一度だけだ。二度めから先はオーダー確定と見做される。つまりコストやら責任やらが発生するということだ。いいか味見は一度だけだ。何事もだ。

#2891

ひとりでいることが寂しいんじゃない。ひとりだと自覚することが寂しいんだ。

#2890

冗談ぐらいは毒にも薬にもならないやつにしてくれ。今の世の中、毒も薬も多すぎる。

#2889

自分の強さを誇りたいなら自分より強い者の前で誇れ。

#2888

見られて触れられるものだけでできた世界に住むなんて難しすぎる。

#2887

忘れていたのを思い出して嬉しいのはへそくりの隠し場所くらいのものだ。他のことは忘れたいからこそ忘れるのだし、人間はそもそもよいことは忘れない生き物なのだ。

#2886

豊かな者はおいしい食べ物を知っていて、豊かでない者はおいしい食べ方を知っている。貧しい者にはおいしいという概念がない。

#2885

左手の作業は左手にまかせておけばよいのに、なぜかわざわざ右手でやろうとしたり、そのために左手が動かないよう縛りつけてみたり、しまいには足でやろうとしたりしたあげく、とうとう作業自体を放棄する人が世の中にけっこういる。そういう人に「左手でや…

#2884

誰かをひとりでも好きになることができたなら、それで人生は充分な成功の域にある。

#2883

できないことを嘆かずに、できないことをたのしむ。すぐにできてしまったひとが経験できなかった途中の過程には、必ず他では経験できないおもしろみがあるものだ。

#2882

最も無能な将軍は勝てない将軍でも攻められない将軍でもなく撤退できない将軍だ。

#2881

うん、ものごとの真ん中を捉えようとする君の態度は素晴らしいと思うんだ、本当に。ただ気をつけてほしいのは、世の中のすべてのことどもに真ん中があるわけじゃないってことなんだ。そして、真ん中も端っこもないふわふわしたもの、それがいちばん恐いって…

#2880

幸福は自身の手で掴みとるものと考える者には、自身の手で掴みとれる程度の幸福しか巡ってこない。

#2879

そのひとの役に立ちたいと思う者にこそ幸いあれ。

#2878

つまらないことに出会えたら感謝する。つまらないことをどうすればおもしろくできるかを考えるたのしみができるからだ。おもしろいものはおもしろいからおもしろい時点で完結してしまうが、つまらないことはあとあとまでもたのしめる。

#2877

ひとを殴ったことがない者に争いの痛みはわからない。ひとに殴られたことがない者に争いのつらさはわからない。

#2876

なににでもよいから帰依したまえ、それが君の人生を芯の通ったものにするだろう……あ、いや訂正する。俺以外の何にでもよいから帰依したまえ。俺でなければ猫でも蝉でもよい、帰依したまえ。

#2875

悩み多き者は幸せである。貧しき者は貧しさに囚われほかの悩みを抱く余裕がなく、大きなる課題に憂える者はほかの悩みに手を出せず、愚かな者はそもそも悩まない。即ち悩み多き者は少なくとも貧しくなく大事に見舞われてもおらず愚かでもない。幸せである。

#2874

難しく考えるのはガキの頃からの趣味でね。さっさと行動に移してしまえば済むことをしつこく捏ね繰り廻して別のものにしてしまうのが好きなんだよ。行動から得る結果よりその方が何倍もおもしろい。だから俺のことは放っておいてくれ、これで幸せなんだ。

#2873

疑いは自分の中にある願望の投影。攻撃は自分の中にある同質のものへの憎悪の排泄。

#2872

ひとは大概のことに慣れることができる生物だからこそ慣れてはならぬものを自ら設定する必要があるのだ。

#2871

語彙の貧しい人の罵詈はおそろしい。匙加減というものが存在しないからだ。ことばにグラデーションがなく白か黒かのツートーンで罵られることに耐え得る者はいない、たとえ罵られる者もまた語彙に貧しかったとしても。

#2870

たのしさは別のなにかとのバーターで得るものではない。たのしさはたのしいだけのものであって、何らの損害もたのしむ者におよぼすものではない。もしたのしさがバーターでしか得られないというのであれば、そのたのしさが本来たのしい類のものではないか、…

#2869

美しさを愛でるのに学習や理屈は別段必要ない。それが真に美しいものであり、それに接することができるなら幼な子でもその美しさに感嘆し陶酔することができる。ただし、美しさを価値と認めることができない者には美しさの恩恵はもたらされない。

#2868

おもしろきこともなき世をおもしろく住みなすものは、推しの存在。

#2867

こころの狭さは住まう世界の狭さであって、それはつまり当人が認識し得るものごとの総量が貧しいということだ。

#2866

報酬の価値はそれを受け取るに値する成果を達成した者にしかわからない。傍観の者はもちろん、報酬を支給する者にもその価値はわからないものなのだ。