2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
良くも悪しくも、ひとは自分の檻から出られない。自分の経験や知識によってしか何事もおこなえず、自分の理解の範囲を越えるものには共感を抱くこともできない。それはしかし、不幸とはいい難い。すべてがもしもわかるなら――檻をまったくもたないのなら、そ…
宝物の価値は自分で決めよう。流通価格とか希少性ではなく、自分がどれだけ気に入っているか。自分がどれだけ大切に思っているか。宝物の価値は、そうやって決めよう。
信じたいのに信じられないなんてのは滑稽だね。信じられないのはすでに信じたくないんだよ。正確にいえば、信じる必要があるのに信じられない、だろう? つまり対象はとっくに信じられるものではなくなっちゃってるのさ。この先にできることは、自分の気持ち…
認めることが負けってわけじゃない。認めることは、よいことも悪いことも含めて問題点を洗い出すことだ。悪い問題点が多ければ退かざるを得ない場合もあろうし、それを負けと判定される場合もあるだろう。認めないのは単に事態を保留しているだけで、問題点…
知らない間に種は準備され地下で芽吹く時を待っている。そのおぼえがなくとも、種は必ず準備されているんだよ。ないといい張るのは自由だが、その前にどれが種でどれがそうでないかを自分が知っているかどうかをよく確かめておくといい。
正しさにこだわるうちは、おとなになれない。だが正しくないことを迷わず選べるようになったら、ひとではなくなる。
「どうしても」があるうちは若い。
面倒なことは後回しでよい。どんどん後回しにして手つかずのままにしておいてよい。だがもしそれで後悔すると思うなら、今すぐ手をつけろ。
異性ひとりをまともに愛せない者がこどもをちゃんと愛せるものか。まして未来など愛せるものか。人間というものの在り方、そんなに甘くはないぞ。
ひとは、誰かを憎むために生まれてくるのではないし、罪を犯すために生まれてくるのでもない。それが憎しみや罪へ陥ってしまうのは、生まれた時にはすでに周囲に憎しみや罪が存在しているからだ。
懐かしむのは年長者の特権。懐くのは年少者の特権。
ひとが集まる時、その中心には必ずひとがいる。他のいきものや物は、ひとの集まりの中心にはならない。一見は物中心のような状況でも、それは物が依代となってひとを反映、反射しているだけで、中心はやはりひとなのだ。時には、すでに存在しないひとが中心…
運不運は確率論的には明らかにおかしな勾配で訪れる。つまりツイている者は一生ツイているし、ツイていない者は一生ツイていないのだ。ただ幸運な者はしばしばそれに気づかない。破綻なく続く人生がどれほど幸運かは、破綻してみないとわからないからである。
おとなとは責任を負える者のことではなく、その無理を知って異なる条件を提示できる者のことだ。
ひとは消費のためだけに存在し、それ以外の技能をもたない。
揚げ足だって取られるうちが花。少なくとも、それをする必要もないという認識は受けていない。
厳しくあり続けることは難しい。もし誰かが厳しくあり続けてくれるとしたら、それはよほどの厚意の主か、厳しさ以外の処方を知らない出来損ないのどちらかだ。
昔のひとの方が突き抜けた個性と魅力を備えていたように思えるのは、それだけ平等と公平がゆきわたりつつあるということなのだろう。
イヤよイヤよはやっぱりイヤ。
故国の誰かを守るために君が戦場で殺した誰かは、故国の誰かを守るために戦場へやってきた誰かだ。それを殺してなお正義を言うのなら君は救いようのない愚かモノか、自身のおこないをどうしても正当化したい卑怯モノのどちらかだ。カルネアデスの板に忌避の…
愛の精錬には時間も手間もかかるし、素材に巡りあう幸運も必要だ。一度や二度の失敗で挫けていては到達など無理だし、一度や二度の機会で素材に出会えるものでもない。
惜しむことと執着することは違う。
答えを欲しがる者に必要なのは正答ではなく好ましい結末である。
前になし足下になし後になし進むべき道もどりたき道
必要なのはどうやら想像力より知識より根本的な人間性らしい。
感謝のきもちをもてないのは自身に誇りがないからだ。
さゎるものはひびにうっとぅしぃ。
もう何度も書いた気はするんだが――頭が悪い者というのは、自身の頭の悪さを認識できない者のことをいう。当然ながら他者の賢さを認識することもできない。時おり口では「バカな自分にはわからないけれども」と言うものの、本当にわからないと思ってはいない…
学問とは対象に外部からアプローチする行為を指す。内部から外へのアプローチは創作と呼び、これは学問には含まれない。
それは息子(2012年3月生まれ)が昨夏に言っていたことだった。 「しょうがっこうにはいったら、げーむ、やってみたいな」 そうか。やってみたいか。 むしろ今まで、よく我慢した。 親戚の家などでは新鋭の高性能機などで遊んでいたのだろう。だが家ではほと…