かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

#1404

すばらしさは分析できない。というより分析できない部分にすばらしさはある。

#1403

およそのことはそれが失われた時に初めて真価がわかる。ひとであれ道具であれ、それが健やかに機能していることは、それ自体がなにごとにも代え難い価値なのだ。てなことを書くとありがたそうに思われる向きもいらっしゃるかもしれないが、書いている当人は…

#1402

自分にとってはいい加減あきたことがらでも、それに初めて接するひとには新鮮になる。逆も然り。結局そうして個は毎回、人間をやり直す。どんなに社会が変わろうと、個のレベルでは延々それが繰り返される。それが人間の限界でもあり、愛らしいところでもあ…

#1401

世界征服を企む悪の秘密結社ショッカーは、知力・身体能力ともに常人を大きく超えた逸材をメンバーにすべき者として選び、改造手術を施して世界征服の尖兵とする……のだが。そのハードルは、選ばれるだけでおおいに名誉というぐらい高いらしいのだが。それっ…

#1400

思いがけないことというのは思ってもみないことだから思いがけないのであって、ある程度の予想がつくなら思いがけないこととはいえない。まあだからといって本当の本当に予想のかけらもしていなかったことが起きたらなんにも対処ができないわけで、そのため…

#1399

それがどんなことであっても「一度もない」ことが誇れることだと考えている人の言は、聴くに値しないから放置してよい。

「麻子はシチューが得意です」

俺が中学生の頃だったか、もう高校に入っていたか。 『別冊マーガレット』(通称べつマ=別マ)に、くらもちふさこ氏が連載していた『いつもポケットにショパン』という作品がある。 クラシックピアニストを志す高校生、須江麻子が主人公。 麻子の母親の愛子…

#1398

世界の知識とか人類の良心などといわれなくてもよい。長屋のご隠居でよい。熊さん八っつぁんが困った時に知恵を借りにくるような者でよいのだ。人間とは、生きるということの実現がその規模で充分にできる生物だし、それより大きなものを個として目指すのは…

#1397

昔むかし、大昔には、ひとは「自分より一瞬でも長生きさせたくない相手」を殺すものだと思っていた。いろいろあった末、そういう力強い理由ではなく「ひたすらに鬱陶しい」とか「ただもうどうしようもなく面倒くさい」といった適当な理由しか備えない者の方…

#1396

順番を気にしすぎるとなにもできなくなっちゃうぞ。毎度順番を崩すようじゃ困りものだが、五回に一度ぐらいは順番を無視してもいいと思うぞ。

#1395

論理的整合性というものは、どこに判断の基準をおくかで破綻したりしなかったりする。やや深い部分に基準点がある場合、表面化した部分では整合性がないように見えても、判断の分岐をひとつずつ辿ればしっかり整合しているものだ。だがごく浅い場所に基準を…

#1394

感謝はされるよりする方がたのしいしきもちいい。

#1393

自分の生物としてのポテンシャルに衰えを見つけた時、なお生にしがみつくことに罪悪感めいたものを覚える。

#1392

正直なところ、誰かの創作を貶すのは苦手だ。それはそのまま誰か自身を貶すことになるし、そして俺は誰かを追い詰めるのも誰かに憎まれるのも好きじゃない。だが、それでもどうしてもと感じる時はある。そういう創作物とはできれば距離を保ちたいのだが、向…

#1391

納得がゆかないからといって、納得がゆくまで頑張ったりはしない。納得はイメージの産物で結果は現実の存在であり、イメージは必ず現実に先行し現実を凌駕するものだからだ。逆に納得がゆくようになったら自分の能力を疑う。成し遂げる能力をでなく、イメー…

#1390

実際のところ僕は君の正義にはなんの興味ももっていないし、世間のひとたちもそうだと思うよ。君の正義は君の満足のためだけにあるんだからね。君は、僕や世間のひとたちが君の正義をそう捉えていることに、むしろ感謝した方がいいんだ。もし君の正義が世間…

#1389

いつの頃からか、正義の使者として悪を狩り罰するよりも、なぜ悪たるが生じ悪をおこなうかに興味が向くようになった。正義の執行は多分、俺がやらなくてもいい作業なのだろう。

#1388

狼は生きろ。バカは去(い)ね。

#1387

たのしいことをたのしいと感じ、たのしいと言えること。かなしいことをかなしいと感じ、かなしいと言えること。それができるうちは、まだ大丈夫。

#1386

どうもこの二十年ほど、いろいろなことが激しく変わり過ぎて、過去との比較が意味をなさなくなっているね。かつて星新一氏は随筆に、人間の世界は前が見えずバックミラーだけの車に乗っているようなもので、しかも車の速度はあがるばかりだと書かれていた。…

#5

家の雨戸のレールが壊れた。いい加減古いものなので業者にもパーツはないだろうと勝手に決めて、手作業で補修パーツを作った。うまくできた。だが手持ちの材料で適当につくったもんだから、装着こそできるもののあと3mmの差できちんと機能しなかった。三時間…

#1385

常識というものは共有されて初めて常識になり得るのであって、客観的な一般性や論理的な妥当さを備えた言説があったとしても、その一般性や妥当さを認めない者や理解できない者には通用しない。おおいに困ったことだが、それは事実だ。

#1384

いいことがあったから次は悪いことが起きるとか、悪いことがあったからいずれいいことが訪れるなんてのは、確率論的にはまったくあり得ない話だ。因果律を考えても、いいこと⇔悪いことの連携とかコンバートが起きるなんてことはない。それでも期待してしまう…

#1383

別に努力を否定するわけじゃない。いいたいことはみっつつ、まずは努力イコール成功じゃないよってこと、次には努力も才能のひとつで、だから当然できないひともいるよってこと、そして努力はどちらかというと趣味の範囲に収めるべき行為だよってこと。した…

#1382

もう何度も何度もいってきて、いい飽きてきて、そろそろ本気でイヤなんだが。 必要なのは認め合うことであって、理解し合うことではないのよ。 てゆうか、理解し合えるなんて大それたことを、なぜ考えられるんだ? 自身が他者を理解できるなんて思い上がりを…

#1381

多少の無理ならなんとかしたいと思える相手がひとりでもいれば、人生は充分にペイできている。ふたりいたら黒字決定、三人もいれば大成功だ。だが五人を越えたらそれは粉飾決算の範疇に入るかもしれない。

#1380

わかることはたいがい幸せだし、わからないこともおよそ幸せのうちに入るんだが、わからないことをわかることはものすごい不幸せだったりするんだなあ。

#1379

個性について考えて始めた時点ですでに没個性的なんだよね。

#1378

望み過ぎるのは明らかな罪だが、望まな過ぎるのもしばしば罪となる。

#1377

ひとつのものにひとつの相しか見出せなくなったら、もはや現役の時期は終わったと考えるべきだ。生まれてこの方ひとつの相しか見えたことがないのなら、生を受けたこと自体を恨め。