かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#30

『たぬきの宝籤は当たらない、なぜ?』ってナゾナゾがあるんだ。一応の正解は『タカラクジからタを抜くと「カラクジ」=「空籤」だから』なんだけど、考えた末に「……全部、木の葉でできてるから?」と答えたひとがある。これは正解にしていいと思う。一応の方の正解は、ことば遊びのルールで成立している。でも木の葉のひとは、別ルールを適用して結論を出した。使うことのできるルールを探し出した、あるいは探し出そうとしたことは、すでに正解の域に迫っていると思うんだ。そのルールが出題者の目論見と合致していようがいまいが、ひとつの使える可能性を見つけ出したってことは評価していい。ナゾナゾってのは本来、そういう行為、思いがけないルールの発見のためにするべきものなんだからね。木の葉はまぎれもなくひとつの発見だ。
 でもセンター試験は違うよ。相手のルールを理解して対応するのが第一のルールなのであって、こっちで勝手にルールを考える類のものじゃない。その差が理解できなかったら、その時点で不正解なんだ。いうまでもないが、センター試験方式も“正解”のひとつだ。