かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#173

 相応以上の縁を結びつつも破局に至った過去の異性たちのことを思い出す時、しばしばひどく申し訳ない気分に襲われる。今だったらもっとマシな時間をともに過ごすことができたろうに、と思ってしまうからだ。自身の幼さや無知がどれほどあのひとたちを傷つけ、また悩ませたことか。今なら少しは、ほんのもう少しはいいはずなのだ。
 十年後には多分、今の自分を振り返って同じことを思うのだろう。それを進歩と呼べるかどうかは知らない。いずれにせよ、十年後にも過去の異性の記憶は消えていないはずだ。