#348
あらゆる作品は常に傑作である。しかし作品に対する周囲の理解は大変にしばしば及ばないため、多くの作品には駄作凡作の烙印が押されている。もっとも、周囲の理解が及ばないということは、本当にただ理解が及ばないというだけのことだ。もしそれが、あまりにも作者のセンスが飛び抜けて素晴らしいため周囲が追いつけないという事情に因るのであれ、またあまりにも作者のセンスがくっだらねぇのでいったいその作品のどこに作品として成立させる意味があるのか理解できないといった事情に因るのであれ、理解が及ばないという点では同様なのであり、そしてやはり作品は、それが存在するという一点において常に傑作と評価し得るものなのである。(−18)