かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#352

 小学生に“将来の夢”を訊ねるのって、馬鹿馬鹿しいことだとは思わないか。彼らは本来、将来よりも明日の遊び場の確保を考えるべき存在なんだぜ。彼らにとっては、たった今だって夢みたいなもの、であるべきなんだよ。だいたい“将来の夢”ってのは、“今はできないこと”だよね。じゃあなぜそれが今はできないのかといえば、オトナじゃないからだ。つまり、小学生に将来の夢を訊ねるのって、オトナでなければできないことを考えさせるってことだ。そんなことを考えさせることよりも、今、たった今、ちゃんとこどもらしいことをさせることの方が大切だろう。こどもをちゃんとできなかった者は、ちゃんとしたおとなになれない。いやそれどころか、ちゃんとした少年少女にすらなれないんだからね。“将来の夢”なんてものは、別にわざわざ訊ねなくたって、必要になれば自然と自分で考え始めるようになるさ。だから、まずは今、思いっきりこどもをやらせておいた方がいいんだよ。(−14)