かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#295

 最近改めて兼好法師のイヤミっぷりにシンパシーを抱く。173段なんかちくしょーめと思うほどイイ。「片田舎の人こそ、色濃くよろづはもて興ずれ。花のもとには、ねぢより立ちより、あからめもせずまもりて、酒飮み、連歌して、はては大きなる枝、心なく折り取りぬ。泉には手・足さしひたして、雪にはおりたちて跡つけなど、萬の物、よそながら見る事なし」ねぢより立ちより、の距離感サイコー。すげえ嫌悪感があるんだけどストレートにそうは書けず(そう書いたら自分自身が“片田舎の人”になっちゃうのだ)、語呂合わせの上わざわざ下賤な表現をもってきて諧謔の空気を漂わせようとする、それならいっそ書かずにいればいいのに書かずにはいられない、そしてそんな自分をよく知っている。こういうジジイ好きだ。でもこんなのが好きだからオレもうひとつ抜けきれないんだろうなあ。やれやれだ。