かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#550

 個人的には、たとえば顔の造作とかからだのパーツの一部とか、多くは遺伝子という自分自身がそれに対して大した努力もはらっていないような部分を褒められるより、自分自身が費やした労力に対して評価を与えられることの方が嬉しい……と思っていたのね。でもつらつら考えるうち「それってけっこう傲慢なことじゃね?」と気づいた。世間には、自分には努力しか取り柄がないと思っているひとがあって、天賦のものを褒められたくて、でもそんな経験も褒められるべき部分もついぞなくて……っていうひともいるよね。そういうひとにしてみたら、天賦のなにかがあるひとは羨ましいのだろうし、また逆にそのひとが誰かの天賦のものを褒める時は、自分にとっては最上級の褒め方をしている可能性もあるわけだ。自身の労力にのみ価値を求めるってのは、そういうひとたちの気持ちを逆撫でしていることなのかもしれないね。反省した。