かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#558

 確かに個々の認識において各々は唯一無二の中心であり、世界はまさにひとつずつの個によりその個のためにこそ存在するものなのである。だが他者にその世界の共有を強いることは無理であって、もし共有を強いればその世界は崩壊する。なぜなら共有を強いる時点でその者は他者の世界を侵しているのであり、それが認められ世界が共有されたなら、それは自身の世界への侵犯も既遂となったことを意味し、そしてそれは世界の独立すなわち中心の維持がすでに失われたということになるからである。