かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#670

 人間は、規則性のあるものに対して美を感じるように感覚が設定されているようだ。それは形而下的な物の姿に限ったことではなく、形而上的なものにも適用される。その規則を微妙にずらしたものを見たり考えたりしていると、だんだん気分が悪くなってくる。これが精神的なものだけではなく肉体的な気分の悪さになってしまうのだから、感覚というものは大したものだ。さてここからが今日の本題なのだが、このところ世間がどうも穏やかでないのは、社会全体にそういう規則性の微妙なズレが生じているからなのではなかろうか。規則性に近づこうとして近づききれない最も悪いバランスに、社会全体が陥っているように思えてならない。これが完全にぶっ壊れた状態なら却って新たな美を見出せるのだが、さりとて完全に崩壊されても困るしねえ。どうにも気分の悪い状態だ。