かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#768

 年若い者の知識はやはり不足している。だが年若い者の吸収力は素晴らしい。だからしばしば年若い者は吸収した知識を十全には理解しきれないまま知識を増やしてしまう。得た知識を自身のものにするための知識がないゆえだ。そしてさらに年若い者の発想は時として大いに奔放で、その力は年若い者自身の知識を軽々と凌駕する。この落差は年若い者にしばしば感情の欠如を自覚させるのではないか。欠如が生じていなくとも、知識の激増とそれを見下ろす発想の規模に比して感情が相対的に小さくなり見失ってしまった状態を、欠如と誤認してしまうのではあるまいか。