かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#900

 愛でるべきいのち、愛でたかったいのちが尽きた時には、蚊を潰す手にも躊躇いを覚える。これもまた等しくいのちなのだ、いや新たないのちの繋ぎ手として最後の作業に自身のいのちをかけるものなのだと考えると、むしろこれもまた愛でるべきものだと思えてくる。それは違うことなく一時の感傷だが、少なくとも悼むきもちのあるうちはその感傷を自ら無碍にするようなことはするまいと思う。