かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#1257

 しばしば間違えている人がいるようだが、考えるということは最初から大きなひとつのかたちをつくることではない。全体をどんどん小さな要素へ分解し、分解したひとつずつの要素について吟味してから再構築することだ。だからひとつずつの要素についての判断は決して難しいものにはならない。全体でいきなり結論を出そうとするから躓く。ただ、どうやって小さな要素へ分解するのか、それが少々難しい。考えるという行為の巧拙は、分解の手際次第で決まるといってもよい。ある意味では、その課題をどういう要素に分解するかの判断が、考えるということそのものだともいい得る。