かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#1397

 昔むかし、大昔には、ひとは「自分より一瞬でも長生きさせたくない相手」を殺すものだと思っていた。いろいろあった末、そういう力強い理由ではなく「ひたすらに鬱陶しい」とか「ただもうどうしようもなく面倒くさい」といった適当な理由しか備えない者の方が積極的な殺意を呼び込むのだろうと思うようになっている。考えるに、力強い理由を抱かせるような相手にひとは、相応の敬意を払うものなのだろう。対して適当な理由しか備えさせてくれない者相手だと、そのいのちまで軽視できるようになるらしい。というわけで、殺されたくないと思うならひとかどの人間になるといい。憎まれるのも嫌われるのも一流になれば、それで簡単に殺されることはないのだ。