かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

地獄の筐が開くⅡ

 それは息子(2012年3月生まれ)が昨夏に言っていたことだった。
「しょうがっこうにはいったら、げーむ、やってみたいな」
 そうか。やってみたいか。
 むしろ今まで、よく我慢した。
 親戚の家などでは新鋭の高性能機などで遊んでいたのだろう。だが家ではほとんどしていなかったはずだ。
 小学校へあがれば“おにいちゃん”だ。
 この機会に、と思ったのだろうな。

 それで父は、魔窟から基本アイテム(と断ずるもの)を発掘した。
 任天堂スーパーファミコンセガメガドライブだ。(参考⇒『地獄の筐が開く』http://d.hatena.ne.jp/st79/20180206/1517936141
 本当はファミリーコンピュータまで遡りたかったのだが、さすがにアレはチープすぎる。あの味わいがわかるのは、やはり年長者であろう。同時発色数25色、3音ポリフォニック+ノイズ1はもはや枯淡の域にある。
 SFCはいうまでもない名機。ハード性能云々ではなく、ソフトが充実している。いかにもゲームらしいゲームばかり。
 近年の作品群は出来が良すぎて、ゲームという気がしない。SFC時代の、いかにも“テレビ使って遊んでます”感覚が、初心者にはむしろよいと考える。
 だがSFCはFCのパワーアップ版ではあり、だからボタンが多い。なんでもパワーアップすると増えるのだ。仮面ライダーの銀線然り(旧一号=線なし 二号=線一本 新一号=線二本)、ウルトラマンの赤線然り(初代⇒ジャック)。
 第一弾ソフトの『スーパーマリオワールド』ですら、コントローラーについている九つのボタン(十字キー、LR、青緑黄赤、スタート、セレクト)全部を使う。
 そんなの初心者には無理すぎ。
 そこでMDの出番だ。
 MDといえば『マイケルジャクソンズ・ムーンウォーカー』……ではなくて、いわずと知れた『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』。使うボタンはなんと二個、四方向キーとジャンプボタンのみ。てゆうか四方向キーとシフトボタン(コントローラーを握った時、右手人指し指に当たる)以外、どのボタンを押してもジャンプする。これなら操作を誤ることもない。
 おまけに画面は猛スピードでスクロールし、ジャンプの爽快感やリング散らかった時の喪失感は中毒性アリ。
 知名度の点からいけば、マリオはまずやりたがるだろう。
 だが難しいと思った時、ソニックをやればスッキリするだろう。
 幸いにして『仮面ライダービルド』にはヘッジホッグフルボトルというのがあって、おかげでビルドファンの息子はヘッジホッグ=ハリネズミということについては既知。
 きっと「これがへっじほっぐかー!」と納得するだろう。
 微妙にそれヘッジホッグじゃないんだが。

 そして。
 約束通り四月初めまでにはゲーム機を準備しておき、半ばから遊び始めた。
 思った通り、というより以上に、楽しんでくれている。
 しかしやはりボタン九つのSFCは厳しいようだ。
 ソニックは楽しめるが、やや単調な部分もある。
 かといってマリワはまだつらい。
 同時にスーパードンキーコング1〜3も準備してあって、1はけっこう遊べているが、なにしろまだダッシュジャンプができない。手が小さいせいもあり、Yボタン押しっぱでBジャンプ、が物理的に困難なのだ。
 そこで父は考えた。
 他に、右手のボタンいっこで遊べるゲームはなかったか。

 結論がこれである。

 初代PS&ナムコミュージアムだ。どうだまいったか。
 これなら右手ボタンいっこどころか右手いらずで遊べるのもあるぞ。『パックマン』。
 右手を必要な時だけ使うという点では『ニューラリーX』。シューティングの基礎ともいえる『ギャラガ』。レースゲームなら疑似3D『ポールポジション』。一枚めだけで、これだけ遊べる。
 その他キャラがかわいい『マッピー』(vol.2所収)、掘るのが楽しい『ディグダグ』(vol.3所収)など、初心者向けの“コンピュータゲーム”満載。残念なのは当時諸事情あってVol.5が入手できず、未だ手元にないこと。今Amazonで調べたら、ああやはり一番高値でやりとりされている。みんな息切れしちゃったんだよな。でも収録ゲームはわりとマニアックなので、今回の目的には合致しない。(でもあとで買っておこう)

 というわけで、初代PSをセットし遊べるようにしておく。
 まあいずれ NINTENDO SWITCH が欲しいとかいいだすんだろう。それはそれで仕方ない。だがそれまでの間、この絢爛たる古典の宮殿で遊んでほしい。
 これは本当に本気でいっているのだが、いきなりスプラトゥーンやるよりパックマンをわしゃわしゃやった方が、ゲームは楽しく長く遊べるのだ。モンハンでゲーム始めた人間はよほどのツワモノでない限りWizⅠは遊べない。それは悪いことではないが、あの独特の雰囲気を味わう機会がないというのはいかにも残念だ(といって息子にウィズやらせるつもりは特段ないが)。
 わが息子よ。逞しく育ってくれ。




 実はスーパーゲームボーイとGB『平安京エイリアン』とかもあるんだが、さすがにそこまで深入りさせる気はないw あっ。でも『スペースインベーダーズ』は出しておいてもよかったか。あちゃあ。しくった。