19世紀末から20世紀初頭にかけてのアメリカは、国民個々の技術レベルが実はそれほど高くなかった。ゆえに設計段階からの生産工程の抜本的な効率化の必要があり、それを図ることができたから、工業先進国になれたんだな。一方、たとえばドイツは、個々の技術レベルが高かったから、その技術に頼ってしまい、むしろマスプロダクション化が遅れたわけだ。これは示唆的な話だと思うよ。不得手な者の方が工夫するってことだ。できるひとにはわからない世界ってのがある。できるひとであればあるほど、できることを常に疑った方がいいってわけさ。