世の中には傍迷惑な思い込みをもつ人が多々あるが、なかでも困ってしまうのは「自分が誰か他者に対してなにかを“してやれる”、その相手を“良い方へ”“変えることができる”」という思い込みをもっている人だ。そういう思い込みをもつ者の、自身の力への根拠のない過信ぶりもさることながら、ほとんどの場合善意という傲岸さの上に立っていて、かつそれが自身への利益誘導になっていることに気づいていないところが鬱陶しい。自分に直接関係のない話でも、そういう例を知るとひどく苛々してしまう。ついつい杉下さんの顔真似をして「恥を知りなさい！」と罵倒したくなる。
