かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#151

 人間たちには、人間でありたければ自ら越えてはならない一線があるはずだ。それは、各々が自身を律するとか、個と社会との折り合いがどうとかいう類のものではない。人間という器、そこに収まりきらない責任や義務のようなものに由来するものだ。あることをした時に発生する責任や義務には、人間風情には負いきれないものがある。個としても、集団としてもだ。そしておそらく、一部の者であれ人間がその一線を一度越えてしまったなら、人間という生き物全体が、もはやどこにも寄る辺のない存在になってしまうだろう。