ロックミュージックにはさまざまなことを教えてもらったが、最も教訓になっているのは「どんな反体制的音楽もメディアに乗らなければ一切の力をもたず、そしてメディアが体制の身内の一種あるいはそれ自体がひとつの体制として機能している以上、メディアに乗った反体制音楽は真に反体制的ではあり得ないし、ファンというかたちで集団が形成されればそれもまたひとつの体制をなすのだから、どんな反体制音楽も煎じ詰めれば反体制ではあり得ない」ということだ。要するに思想スタイルも含めて、ロックミュージックはすべて娯楽のために存在するものであり、だから全部まるごと楽しんじゃえばおっけーということである。