かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#322

 こどもが生まれてから、鏡を見なくなった。知り合った子育て仲間である母親たちが誰もみな魅力的に輝いているのを見て、わざわざ鏡を相手に自分を取り繕う必要性を感じなくなったからだ。自分が子育てに熱意をもっている限り、彼女たちのように活き活きとしているはずだ――そんなわりと一方的な思い込みが、鏡に頼らない生活の土台になっている。そしてまた思う、彼女たちのあの輝きに気づかない男たちがあるとしたら、彼らはとんだ愚か者だと。娘十六番茶も出花というが、とんでもない。ただ若いだけの魅力など、子育てに輝く母親たちの魅力に比べたら大したものでもない。