#1486
まず理想のない者に武器を与えてはいけない。それがどんなに身勝手な、あるいは忌まわしいものであっても、他者に自身の理想を語れない者に武器を与えてはいけない。次に未来、少なくとも百年先の未来を想像できない者に武器を与えてはいけない。たとえそれが他者には曖昧模糊としてとらえようのないものであっても、自身においては確かにこうだと言える未来を想像できない者に武器を与えてはいけない。そして、誰かのために死ねる者に武器を与えてはいけない。その誰かが自分の死にどれだけ苦しむかを考えられず、また自身がその者のためにこそ生きたいという意志をもたない者に武器を与えてはいけない。これらを満たさぬ者に武器を与えても、それは破壊と殺戮の道具にしかならない。もし目指すべき世界が破壊と殺戮の向こうにあるのだとしても、その者がもたらす破壊と殺戮には、その後におこなわれるべき建設が一切含まれていないのである。