かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#530

 人間ってものには、自分の生きた時間が自身の存在を肯定するものと思ってしまうクセがあるらしい。長生きすればするほど、自分には存在するだけの価値があったのだと(そして今もあるのだと)思いたがるってことだ。だが生きた時間というものは単なる事実に過ぎないわけで、なにを肯定するものでも否定するものでもない。単に長く生きた、それだけのことだ。その辺を履き違えるようになってきたら、そろそろ人生も惰性の域に入ったと思ってまず間違いない。