かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#2102

 ひとは虚構なしでは生きられない。もう少していねいにいえば、あくまでも己の枠内から出られないにもかかわらず活動し続ける意識には、その力を消費するための無駄な労働が欠かせず、そのために枠外から常に労働目標を導入し続ける必要があるものの、それは己の枠外のものである以上は自意識が淘汰し選択した異物でしかない。選択された異物は常に実体から遊離した形骸に過ぎず、それは他者からすれば虚構としか認識しようのないなにかとなっている。その虚構には、物語という別名がある。然り、すべては意識が必要とする物語であり、それが途切れたら意識は意識として成立しない。