かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

魔女・美弥 闇狩り【#2 魔法師淫祭祀】-02

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(承前)

「これで明晩も、大勢の贄が集まりますことよ」
 女──村人たちの前で奇跡を起こしてみせた女が、妖しい笑みを見せて言った。
 すでに日の暮れきった山の中、杣人の小径の途中。
 杣人たちがひと息をいれるために拓き均したと思しき、三丈四方ばかりの平地があった。周囲の木々は大雑把に刈り整えられている。昼間であれば日光も充分に入り込むだろう。
 そこに、確かな厚みを備え、表面の仕上げも滑らかな上質の筵が敷き伸べられていた。
 その筵の上には、さきほど女の介添えをしていた男が、自身の片肘を枕代わりにして横になっている。
 女は、奇跡を見せた時の衣裳は脱ぎ、薄衣一枚に身を包んで立っていた。髪が濡れているところを見ると、どうやら水を浴びて身を清めてきたあとらしい。
「ああ、集まるな。……御前の働きにはいつも感謝しているさ」
 男は小さな声で応えた。その声は低かったが、不自然な高音をわずかに含んでいる。金属の擦れ合う音に似て、妙に癇に障る音だ。
 女はしかしそれを気にもせず、ただこっくりと頷いた。そして寝転がったままの男を見下ろし、いっそう艶めいた笑みを見せた。
「それにしても、他愛ないこと。貴方様のお力、じかに見せてやればよほど人も集まりましょうに」
 女のことばに、けれど男は横になったまま、わずかに首をひねった。
「御前は人の心を知らぬ。人寄せは御前のような女がする方がよいのだ、特にあの村の民のような連中を相手にする時にはな」
 村では男の方が従者に見えたが、いやそう見えるように男も女も振る舞っていたが、実際には男の方が主であるらしい。
 女は男のことばに婉然と微笑み、薄衣の端を握っていた指を開きながら、言った。
「ねえ、私……」
 筵の上に、かさりと乾いた音を立てて、薄衣が落ちる。
 女の裸が露わになった。
 齢は幾つぐらいなのか、からだだけからは判断がつかない。だが、それが充分に熟した肉体であることは確かだった。
 重たげに実った乳房の頂点には、おそらくまだ赤子に吸われたことはないだろう小粒の乳首が勃ち上がっている。全身はふっくらとした柔らかい丸みを帯びて、この時代にもかかわらず食べているものがよほど充実しているだろうことを思わせた。
 下腹の濃い繁みが、最前の水浴びの名残の湿りけを残してか、しっとりとした黒に輝いている。緩やかにうねるその繁りの奥からは、早くも牝の誘い香が漂い出ていた。
「今日はとても欲しいみたい」
 女は男のすぐそばに膝をついた。
「いつも、そう。貴方様が力を使うのを見たあとは、自分でも信じられないほど、からだが熱くなってしまう。腹の奥で、臓腑がどろどろになって暴れているような気がするの。……それを鎮められるのは、貴方様だけ」
 男は相変わらず横になったまま、女を見上げている。わずかに頬が歪み、男の唇が上向きに反った。笑顔のつもりらしかった。
「……わかったわ。見せるから、ちゃんとあとで頂戴ね」
 女はそう言うと、さっき脱ぎ捨てた薄衣の上に臀をついた。
 股間を男に向け、膝を立てて開く。
 月明かりがふたりのいる平地を照らしている。その仄白い光の中で、女は恥ずかしげもなく自分の性器を男の目に晒した。
 からだを後ろに反らせ、奥までが男に見えるよう腰を突き出す。そして女は、片手を後ろに廻してからだを支えつつ、もう片方の手で己れの割れ目を撫でさすり始めた。
 指先で開かれた途端、その割れ目の奥からいっそう濃い牝の芳香が立ちのぼる。
 すでに奥は溶けて弛み、身を清めたばかりとも思えない量の粘液が、わずかに白みを帯び濁って溜まっていた。
「ほら……こんな、なの」
 女は言い、背を丸めて、粘液の絡みついた指先を男の目の前にまで差し出した。
 そしてその指先をつけたり離したりする。
 粘液が細い糸をひき、くちゅくちゅと小さな音を立てた。
 男が口を開いた。
 口の奥にあった舌が伸び出る。
 異様に長い舌だった。
 その舌は、口の三寸ばかりは先にあった女の指に軽々と届き、絡みついて、泡立った粘液を舐め取った。
「うふふふ……嬉しい」
 女はくぐもった声を漏らし、男に舐められた指先を自身の口元へもっていった。そして、男の唾液のまぶされたそれを、しゃぶった。
 一度指の根元までを口の中に含んでから、女は改めて背を反らし、ぬらぬらと全体が光る指を性器に当てた。
「ああ……ああ、ああ……」
 喉の奥で声を鳴らしながら、くねくねと指を動かす。女の指は、時には牝核を押し潰し、時にはするりと胎内へ潜り込み、自身の裡から器用に執拗に快楽を掻き出し始めた。
 女の声はどんどん激しくなり、それにつれて周囲にはますます誘い香が濃く立ち籠める。
 腥さに似た、けれど男であれば必ずそそられる匂い。山中の湿った木の香を押し退けるように、獣じみたその匂いが辺りに広がってゆく。
 その匂いに誘われたか、落ち葉を踏みしめて近づくものどもがあった。
 山犬の群。
 この男女を獲物と見たか、犬どもは一歩ずつ彼らへ近づいて行った。
 女は早くも小さな頂点を得たか、がくがくと大きく震えたあと、一瞬からだを強張らせた。
 すでにその性器からは、真っ白に濁った汁が重たげなしずくとなって垂れ下がっている。
「あはぁ……」
 女が濃い息を吐き出した時、男がようやく身を起こした。
 着ていたものを手早く脱ぐ。
 褌を外した途端、勃った逸物がぶるんと揺れて転がり出た。
 正味、巨大な逸物だった。
 赤子の二の腕ほどもあろうかと思える、太く長く、雄渾な逸物。
 それを見た時、女の顔はだらしなく弛んだ。女の、ぱっかり開いた唇の奥から押し出された舌が、もの欲しげに自身の唇を舐め廻す。
「それが、欲しかった……」
 仁王立ちした男の脚に、女はしがみついた。
 そして迷わずに顔を男の股間に押しつける。
 とても口中には収まりきらないことが判りきっていながら、それでも女は逸物に唇を当てた。
 頬ずりし、先端を咥え、突き出した舌を横や裏に這わせ、握りしめて扱く。次第に女の目に常軌を逸した光が宿り始める。
 暫く女のするにまかせていた男は、女の奉仕に満足したのか、腰を引きつつ女の頭を押し退けた。女は素直にからだを離し、筵の上に仰向けになろうとした。
「いや、四つ這いになれ」
 男が小さな声で命じた。金属音が、さっきよりも強くなっている。
 女は、にいっと恐ろしいほどに淫らな笑みを浮かべた。紅はすでに落とされたはずの唇が、それなのに赤々として血でも塗りつけたような色に染まっている。
 男の言う通りの姿勢になって女は、男に臀を突き出した。割れた股肉の狭間で、丸晒しになった牝襞がひくひくと蠢いている。
「お願い、早く」
 堪えきれないといった風情で、女が切なげな声を漏らした。

(続く)