かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#3115

 愛国を標榜する者が認識する『国』即ち当人が『愛』する対象はしばしば恣意的なものであり、一般に認識される国の定義とは異なる。突き詰めるとそれは国という規模に見合わない対象、たとえば当人が接触し得るごく限られた環境のみを意味していたり、甚だしい場合には実際には存在しないなにかであったりもする。さらに愛が意味する内容もまた独自の解釈に基づく場合が多く、従って当人たちの語る『愛国』自体が一般的な意味を備えないことも珍しくない。だからもし愛国を標榜する者と対話をする機会があった場合には、まず当人のいうところの国と愛の定義を確認する必要があり、もしそれが達成されない場合には対話自体が成立しないことを覚悟するべきである。