かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

ヒビキ隊長かっけぇ(という話のはずが)

 スーパーGUTSが同窓会をやったというニュースがあった。⇒http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1810/09/news075.html
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 写真を見て「いやー皆さんいい年月を重ねられたなー」としみじみ思いつつ、好好爺からはほど遠い木之元亮氏の精悍さと迫力に、改めて惚れ直した。
 そう、木之元亮氏――というよりは、ヒビキ・ゴウスケ隊長。
 歴代防衛隊の隊長の中でも、秀でて印象深いひとだ。
(もっとも俺の世代だと木之元亮氏といったらまずロッキー刑事@七曲署ではあるんだが)

 そのあまりの印象深さに、俺にとってヒビキ隊長の最高の一瞬を含む『ウルトラマンダイナ』第41話『ぼくたちの地球が見たい』を再見して、やっぱり泣いちゃったわけだが。
 あの場面、ゴンドウ参謀を一喝する場面の迫力はすげえよなあ。
 もうね、あの瞬間に「大丈夫。この事件は必ず無事に解決する」って気がしたねえ。
 優秀な隊長だと思う。あそこであれを言える、実行できるってのは。いや本当に傑作中の傑作のひとつだよ、第41話は。
 もっとも、第41話に限ったことではなく、ダイナは粒揃い、いやいや、平成三部作は粒揃いで、一話として「流せる」話がないんだが。
 それに考えてみたら、ウルトラシリーズでオフィシャルが続編を謳ったシリーズって、ダイナが初なんだよな。

ウルトラマン』と『ウルトラQ』は、地味に世界の連続性を匂わせてはいるが(ラゴンやケムール人などのデータがすでにあるという点で)、同一世界という宣言はしていない。後年、一の谷博士をキーパーソンにQ世界に科特隊が創設されるという物語もあったと記憶するが、あくまでも二次創作的なスタンスで、本編がそれを謳ったわけではない。
ウルトラセブン』はもう完全に別世界の話としてつくられ、成立している。直系として平成セブンやXはあるものの、他のウルトラシリーズと並べてつくられてはいない。少なくとも制作当時には、まったく関連性のない話としてつくられた。
 ところが、『帰ってきたウルトラマン』から微妙なことになってくる。
 このシリーズは“帰ってきた”と宣言した時点で、初代ウルトラマンとの関連性があるとのお墨つきを出したようなものなのだが、世界観はQともマンともセブンともまったく異なっていた。その辺どうにも据わりが悪い。『ウルトラマンA』には冒頭“地球防衛軍”が出てくるものの、MATは出てこない。だがこの両作品は、“ウルトラ兄弟登場”というシチュエーションにより、半ば無理やり過去作品を連結させている。
ウルトラマンタロウ』で“兄弟”の関係は強化され、『ウルトラマンレオ』に至っては、セブンがモロボシ・ダンとして登場するわけで、もう完全にセブンの続編という位置づけになっている。だがそれぞれ、過去作との物語としての関連性は皆無……ってことはないか。レオにはアンヌさん出てるし。いや、ないなやっぱり。あの辺はファンサービスみたいなもんだ。だいたいあのエピソード、なんかおかしいもん。いろいろと。

 まあそういう具合に、ジャック以降は確かに物語の連結がおこなわれているものの、それは設定を引き継いだり物語としての一貫性をもたせたものではないし、オフィシャルも続編だと謳ったわけではない。なりゆきでくっつけただけ、という印象しかない。だいたいがレオのダン登場だって、ものは試しと交渉したら森次晃嗣氏のレギュラー出演がOKになったから後づけで設定を変えたもの、と聞いている。
 おかげで後年、赤星政尚氏らが知恵を振り搾って『ウルトラマンメビウス』で昭和ウルトラの総括をしなければならなくなったわけで、赤星氏らの苦労を思うと俺は悄然としてしまう。(もっとも逆説的に、昭和ウルトラがそういう組み立てだったからこそメビウスという傑作シリーズが生まれた、という観方もできなくはないが)(ウルトラ随一のツンデレさん、ザムシャーが見られたのもそのおかげということか)(うーむ)

 だがダイナは違う。
 最初から「ティガの七年後」と世界を限定して、すべての設定をおこなっている。
 だからたとえば、ティガ時代の防衛隊GUTSの、おそらく最後の闘いとなった『THE FINNAL ODYSSEY』(劇場映画作品)にヒビキらが練習生として出演したことに、まったく違和感はなかった。いやそれどころか、来たァ! という喜びに胸が躍った。
 ダイナ本編では、第35・36話『滅びの微笑』前・後編に旧GUTSの隊員がそろってゲスト出演している、だけでなく最終回にはダイゴとそのこどもまでが重要な役どころで出てくる。これらは、統一された土台づくりがあってこそのものだ。
 一方、まったく別シリーズとしてつくられた『ウルトラマンガイア』では、ティガらとガイアの邂逅のために次元跳躍のシチュエーションを準備していた。これだけきっぱりとシリーズごとの設定を厳密にしたのは、時代ゆえというよりも、製作者側の意志(というか意地)のゆえだろう。(だから実はギンガ以降の安易に過去トラメンが登場する風潮、俺ははっきりいって好きではない)
 そういう具合に、足場どころかその下の地面からがっちりつくられているからこそ、平成三部作は見ていて安心できる、というより微妙な違和感を覚えず物語にのめり込むことができる。傑作たる所以だ。

 ……あれ。違う。そういうこと書きたかったんじゃないぞ。
 歴代防衛隊とその隊長の話をしたかったんだよ俺は。
 ヒビキ隊長がどれほど有能でカッコよかったか、それを他作品の隊長たちとの比較で書いておきたいと思ったんだ。なのになぜ。(答=ダイナという作品にこだわり過ぎた)
 どうあれ、各作品の防衛隊の隊長たち。
 科特隊・ムラマツ隊長(と書いてキャップ=cap.=captainと読む)、ウルトラ警備隊・キリヤマ隊長、モンスターアタックチーム・加藤隊長、テリブルモンスターアタッキングクルー・竜隊長、ザリバオブオールテリトリー極東支部・朝日奈隊長、モンスターアタッキングクルーアジア本部・モロボシ隊長。
 加えて、GUTS・イルマ隊長、S-GUTS・ヒビキ隊長、XIGは石室コマンダーと堤チーフ。XIG、本当は各チームのリーダーたち――空挺部隊の三人、地上部隊、救助隊、艦艇隊に柊准将や乱橋チーフに瀬沼チーフって、ガイアいったいどんだけ魅力的な人物が出てるんだ(あっ田端一行もな)――もいきたいんだが人数大杉。特別にナイトレイダース和倉隊長。なぜ特別かというと、『ウルトラマンネクサス』は別個のドラマシリーズと認識しているから。あれは初代と並列で存在する、ウルトラ“シリーズ”とはまったく関連性のない作品だと思う。いい意味で。
 本当はガーズフォーユーティリティシチュエーションCREW GUYS JAPAN・サコミズ隊長とCGJ総監も加えたいところなんだが、これは位置づけが特殊だから並べて扱いたくない。もちろんこれもいい意味で。なにしろサコミズ隊長は長男だもん。
 しかし今日はいい加減いっぱい書いちゃったから、この辺でやめちゃえ。
 続きはウェブで!(いやこれウェブだろ)(てゆか続きやる気あんのか俺)


※2019/3/25 続き書きました⇒
ヒビキ隊長かっけぇ(本編!) - かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』