かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#1917

 ひとの記憶なんて曖昧なものさ。ほんのひと月もあれば意識の底へ沈んでしまう。だがひとの記憶は素晴らしいものだ。それがなにかのきっかけで意識の表層へ蘇れば、恐れも悲しみも払いのけ得る盾になる。そして哀しいことに、ひとを最も苦しめるのもまた記憶なんだ。哀しいことにね。