かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

私的擬人化計画(2014/10/15)

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※この記事は2014年10月15日に書いたものに加筆し修正を施したものです。
※先駆けて2014年3月28日にこのニュース⇒『宇宙恐竜ゼットンが萌えキャラに「ウルトラ怪獣擬人化計画」Tシャツ第1弾発売』(https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1403/28/news088.html)に触れて、エレキングさん(https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%95%E3%82%93)の存在を知らないまま上掲の絵を描いたことから、以下の記事が作成されたという流れになっています。
※上掲えれきんぐ姐さんのしばらく後に調子こいて『がまくじら子ちゃん』も描きました。(2014/10/14)

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※以上をご理解の上、以下の記事をお読みくださると幸甚に存じます。


ウルトラ怪獣擬人化計画』という極秘のプロジェクトが進行しているらしい。(※)

ウルトラ怪獣擬人化計画(なんとつぶらやぷろこうにん)とは】
http://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E6%80%AA%E7%8D%A3%E6%93%AC%E4%BA%BA%E5%8C%96%E8%A8%88%E7%94%BB

 以前、フィギュアで『エレキングさん』を見て、Tシャツ化された『ゼットンさん』も見て、ふーむなるほど、と思った。
 エレキングさんには実はあんまり感心しなかったが、ゼットンさんはちょっといいなと思った。
 で今や商業誌にてマンガも連載中とのこと。(※)
 ……だが。
 俺は登場キャラの皆さんをざっと見て思った「これじゃない!」と。

 まあ意見はいろいろあると思うけども。
 個人的には、怪獣の擬人化というものは「怪獣柄の服を着るとか、似たような模様の実在の服を組み合わせるとかのものではないんでないかな。まして怪獣そのものを美少女化するってもんでもないんではないかな」と思うわけっすよ。
 その怪獣がもつコンセプトのようなものを美少女で再現し、なんとなく見た目も合わせるっていう、現実寄りの方向がいいんじゃないかなあ、と思うんですな。

 だからたとえば、我が「がまくじら子さん」には、オリジナルガマクジラと外見上のコンセプトとして「アヒル口」「ぽちゃ系」などを共有させ、コスプレ的要素として「リブの立ったニットの白いチューブトップ」「パール風の飾りがついたライトグリーンのサマーカーディガン」を着せてみた、と。
 で、ガマクジラといえば真珠食いまくりで夜中に着実に消化吸収を進めるあたりから「いつもなんか食ってる」という要素を加え、性格はそこそこ不思議系という感じで設定しております。
 単にガマクジラ風の姿をしていればよいとか、露出が多ければよいとか、意外性の組み合わせとかでやるもんじゃないだろ、と思う次第です。

 さて。
 そんな風に考えていった場合、他にどんなのが擬人化可能だろう、と思うと。
 たとえばガヴァドンなんかどうだろう。
 こやつはまたの名を二次元怪獣。イタズラ小僧集団のムシバ少年が土管に描いた落書きが謎の宇宙線を浴びて実体化し生命を得た怪獣で、と書いてみてふと思ったが、これって二次元なひとびとにとっては夢のような話ではなかろうか。いや三次元化されちゃあ駄目なのか? まあいいや、とにかくそんな事情で発生した怪獣で、最初にムシバ少年が描いたのは色も飾りもない素っ気ない姿で、ガヴァドンAと呼ばれている。
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 最初の実体化のあと、事態を理解したイタズラ小僧集団が寄ってたかってムシバ画伯の絵に手を加え、あんなのやこんなのをくっつけてドレスアップしたのがガヴァドンB。
 こんなん。
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 これはあれでしょー、素顔のっぺり盛るとド派手な、化けるタイプの女性。

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 でガヴァドンの特徴はというと、なにもないw 寝てばかりいてウルトラマンと戦うのも億劫。でもこどもたちにとっては、なにしろ自分たちの“作品”だから、とっても大事。つまりこどもに人気がある。
 これを擬人化するなら。
 普段はごく地味なOLで、学生時代には薄い本を出していた。今はそっちはすっかり引退。週末などに気が向くと、朝っぱらからひたすら己を飾りたてまくることに没頭するが、盛れた時点ですっかり精根尽きてしまい、夜遊びに出る気力もなくして午後の公園でぼんやりしているという女性。
 当たり前だが公園にはあまりにも不釣り合いな風体をしているので、最初はこどもたちから恐れられていた。しかし無害であることが次第にわかり、このところは「ヘンなカッコのイケてるねーちゃん」として仲間認定を受けることに。
 仲間といっても、いっしょに遊んだりするわけではない。ただぐてーっとベンチに座り込んでいるだけ。周りに時々走り疲れたこどもが寄ってくると、彼女は「あーかったりぃなあ……おまえら元気だな。あたしにもおまえらみたいな頃があったのかなあ? なかったよーな気がするなあ。いろいろ憧れることもあったけど、なんか全部めんどくなっちゃったなあ。なんでかなあ?」といった愚痴ともつかない愚痴を垂れ始める。
 気分次第で缶ジュースをおごってくれることもあるから、こどもたちはそういう話につきあわされることもキライではない。まぁ、そんな感じ。

 ……盛り上がりに欠ける気がしないでもないな。
 でも、俺の擬人化計画ってこういう感じなんですよ。
 はい。


【2014/10/16~17 設定追加】

《えれきんぐ姐さん》
◆身長168cm/体重56kg B89(70E)-W59-H84 10月15日生まれ(天秤座)
◆職業:不詳 一説には看護士資格保有
◆特技:
 特技なのか何なのか常に生傷が絶えず、また過去の傷跡も壮絶。本人の曰く「生まれてこの方どこかしらに傷がなかったことはない」ただしそれらは物理的外傷に限り、病気の類とは縁がない。真冬に半裸で街を闊歩しても熱ひとつ出さない。
 副木にしている粗末な板に見えるものは実は薬箱で、中には緊急時に役に立つ薬(主に鎮痛剤と消毒薬)が何種類も納まっている。だが「副木を外すと腕の治りが遅れる」と言って滅多なことでは開けない。左脚の怪我は大したものではなく松葉杖は不要。「備えあれば憂いなしっていうだろう」「おまえはこれがただの松葉杖だと思っているのか?」とは本人のことば。
“神の手”と呼び得るほど繊細かつ力強い指をもつらしく、噂ではその指先で肌を撫でただけで電流を流したほどのショックと陶酔を相手に与えるといわれる。右手の副木はそれを自ら封印した厨二的なアレという説もある。
 小さい頃は水泳が得意だったと本人は言うが、成長してから泳ぐ姿を見た者はいない。
 双子の姉がいて、彼女たちには頭が上がらないらしい。
 イラだつと道に唾を吐く癖がある。

《がまくじら子》
◆身長152cm/体重69kg B103(80G)-W82-H98 10月16日生まれ(天秤座)
◆職業:宝飾店の事務員(縁故入社)
◆特技:
 こと食べ物に関する限り新製品の当たり外れを見分ける能力は高い。ただし基準は「自分にとっておいしいか否か」であり、そして彼女は偏食者である。
 学生時代のクラブ合宿時、その場のノリでカラムーチョを肛門に押し込まれたことがある。この時は飛び上がり、そこら中を駆けずり回ったあげく先生に激突して気を失った。
 また、好事家である伯父が真空パック保存していた大昔の菓子『テレパッチ』を彼女に見せた時には、彼女の“お菓子判別能力”が激しく発動。「これ絶対にあたしの好きな味!」と決め、伯父の隙を見てこっそりくすねようとした。
 その現場を押さえられて狼狽した彼女は、いきなり袋を開封しひと袋をイッキに全部口の中へ流し込んでしまうという暴挙に出る。
 その結果、口内で意表を突く連続大爆発が発生。その強烈な刺激に引っ繰り返り、半ば気を失いながらも決して吐き出そうとはせず、「……ほら……やっぱり……これ、好きな味……」とつぶやいていた。
 なお、これは特技でもなんでもないが、頭の上に飛び出しているのはアホ毛ではなく脳天から噴き出す潮である。
 一説に、ジャンク菓子で取り込んだ毒素をこの潮とともに体外へ排出しているらしい。また、排出後にはそれらの毒素に対する免疫力も会得しているともいわれる。

ガヴァドン子》
◆身長158cm/体重52kg B84(65D)-W58-H82 10月23日生まれ(天秤座)
◆職業:商社事務員 カラーコーディネーター資格あり
◆特技:
 既述の通り。
 勤務時の服装は主にベージュ系のスーツ(ノーブランド)、白ブラウス。自主性はなく、言われたことしかしない。時々は言われたこともしない。
 昼休みにはしばしば自分のデスクに肘をついて眠っている。勤務中にも時々眠る。眠るとイビキをかくのですぐバレる。
 変身時の服装の基調はスカル系パンク。飾りたてるのが目的なのでバランス無視でいろいろつける。鎖とかフリンジとか。実は意外にグラマラス。リアル男性に興味がないらしく、もしかすると処女かもしれない。
 薄い本を出していたが絵はヘタ。かつては2ちゃん喪女板常駐だったが現在はそれも引退。基礎化粧品はちふれを愛用。独り暮らしの部屋は片づいている方だが、単に物品に興味がないため家財が一向に増えないだけという説もある。その代わりといってはなんだが、押し入れはコスメや薄い本でいっぱい。
 慢性の副鼻腔炎を患っていて、それがイビキの原因になっている。
 毒舌家ではないがあまり言葉遣いに拘泥しない部分があり、状況によっては話し相手にひどい衝撃を与えることがある。変身前後で話す内容に変化がないため、素顔の時にはむしろことばの破壊力が増す傾向にある。


(※)――2014年10月15日現在。