かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

#2723

 たいがいの世界にはその世界なりの筋がある。それはしばしばほかの世界の筋とは性質を異にし、場合によっては相互に正反対の性質を備えていたりもする。ゆえに誰かの言行を筋が通っていないと評価する時には、その筋を通したい世界そのものを評価することにもなり得る。それに臆して手前の筋を引っ込めるのは愚行だが、自身の対峙する対象の規模を読み違えるのは愚策といえる。いずれにせよ万人万物に通用する筋はないと考えることが、筋に関する評価をおこなう際の最低限の覚悟というものだろう。