かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

『魔』シリーズあれこれ【2】




















▲『魔少女・由衣』イラスト用キャラクター設定シート。男の子たち。
 直樹の由衣ラヴどりーむ絵図が泣かせる。一方、高崎のヤッツケ仕事っぽさは笑える。

(承前)

 読んでくださった方はお気づきの通り、書いてみたけど終わっていない。
 でも、ここにあげた分で、優に一冊分の分量になってるんだよ。
 だから一応、クライマックスのバトルも入れてあるしね。
 これでまた「続く」な話、だったわけだ。

 じゃあこの先、どう話が展開する予定だったのかというと。
 これがまたちゃんと話だけは作ってあるんだよ。
 まずは最初の敵だった青黒い化け物、あいつに絡んで話が進む。
 なぜあのリーマン氏が魔の力を入手できたのか? ってことに、美弥さんがかなり疑問を抱くんだな。それでいろいろアンテナ張ってるうちに、その事情がわかる。それで、その事情を解決するために、三にんで地方遠征をすることになるんだ。
 え? 三にんって、あとは誰だって?
 それは、イケガミ(自称)です。
 ドーナツ屋で出会った、黒い男の同族。
 彼はかなり力があり、賢くもあるので、「あんな事件がたびたび起きて、俺たちの存在が公になったら困る」という理由で、美弥主導の“狩り”に同行するわけ。
 同時に、直樹少年たち三人組も「由衣生存説」を追って移動、美弥由衣イケガミの狩りに追いついて巻き添えをくらう。
 そこで由衣ちゃんは決定的なダメージを受けて廃人(つか廃魔?)に。それでもとりあえず当面の狩りは達成されて、第二話終了となる次第。

 第二話ってことは、まだ続きあんの?……というと、これが、あるw
 美弥たちとの“狩り”を通じてものすごく閃いたイケガミは、ある行動を興す。その結果、美弥と敵対することに。んで、怒濤のラストバトルへ……という予定。
 書けって言われたら、今だって書ける話ではあるんだけどね。わりと細かいとこまで、けっこう設定が済んでるし。
 ただ、決定的に時代が変わってしまった。
 昨日も書いたけど、最初に由衣ちゃんを登場させた当時は、女の子が可愛くあることがまだ基本のキに入ってるような時代だったんだよね。そんな時代なのにそれでも雑誌掲載はさせてくれた編集者氏は頑張ってくれたんだなあと思うけど、とにかくそんな時代に細かいとこまで設定しちゃった物語なのよ。
 今書くと、だいぶ時代錯誤な部分があるだろうと思う。
 だいたい当時は、まだポケベルですら普及率がそんなに高くはない時代だったんだよ。パソコンだって、ハードディスクがメガ単位の規模で足りてた時代だ。ハードディスクが、だよ。メモリーがじゃないんだよ。CPUのクロックなんかキロでもなんとか通じてたんだ、キロでも。
 今みたいにようつべがあって2ちゃんが終わりかけててついったでFBで、って時代(しかも間に個人HPとかブログ、SNSなんかも通過してるんだよなぁ)とは違うのさ。情報の伝わり方もなにも、全部が違うんだ。
 そういう時代には、少なからずそぐわないお話になっちゃったわけだ。

 まあ、お話はお話だからね。全部当時のまま書いて悪いってもんじゃあないし、今にあわせてアレンジしたら? って意見もあるだろうけど。
 直樹とかがスマホ持ち歩く姿って、やっぱ違和感あるんだよねえ。
 森沢みたいなやつだったら、ノートパソコン持ってタブレット持ってさらにスマホ持って念のためにガラケー持ってさらに念のためにテレカ持って歩くことになるだろう。
 でも、当時のプロットを活用する方向でやろうとすると、どうしてもそういうものが一切出てこない物語になっちゃう。
 そう考えるとさすがに気が引ける。

 かといって、その辺全部リニューアルしてまでやるべきものか? っていうと、やっぱそこまでの体力はないんだな。
 商売にならんものにそこまでの体力は割けないよ。

 そんなわけで、もし続きが気になってるひとがあったら……と思って、以後の大雑把なプロットは公開した次第。とりあえずそれで納得しといてください。ごめん。
 まあでも、いろんなことが終わって、人生リタイアしたあとの楽しみとして書く、なんてのはあるかもしれないけどね。
 何年先になることやら。

 で。
 そんなこんなのうち、まったく別の筋から「小説、書かん?」って誘われた。
 それが美弥さんのお話になってゆく。

(この項さらに続く)