かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

持病発動中

あた。あた、あいたたたた……ぐふっ。

久々に持病が出てます。う、く、くくっ。
いや、その、ね。時折、息が止まります。痛いというか、苦しいというか。ホント、その瞬間は「ぐふっ」って感じなんですよ。DQだったら死んじゃってますよ。ぅぐふっ。

これがなにかといいますとね、えー、頸椎で神経が圧迫されているという。

自分、思いっきりなデスクワーカーです。基本的に、外回りはしてません。もちろん、仕事の内容によっては外出しますが、およそ日々していることはといえば、机にかじりついてなんらかの作業を、というものばかり。
それも筋金入りです。23歳ぐらいの頃から、ずっと。
もちろん、日常生活に必要な範囲では、動きますよ。それでも、一日のおよそ八割は机とかベッドとかと仲良しにしております。
そしたら、首の骨が変形しちゃったんだそうで。

それが判明したのは、かれこれもう十数年は前のことでした。
ある朝、というか昼過ぎというか……ようするに目覚めた時、いきなり背中を激痛に襲われまして。どんな痛みかというと、そうねぇ、棍棒+1で思いっきり背中を殴られたような、という感じですかね。
うとうと気分が一気に完全覚醒ですよ。
ところがこれ、ずーっと痛いわけじゃない。体の向きを変えたりすると、突然、クる。どういう向きになるとクるのかは、まったく読めません。ふつーに立ってて、ふと右へ揺らいだかな、と思った途端にクるとか。その移動量はミリ単位かもしれません。なにしろ、本当にわずかに揺らいだだけでもクるんです。
かと思うと、大胆に後ろを振り返っても痛くならない時もあったりします。
とにかく、予測不可能。
でも、ある瞬間いきなり背中を棍棒+2で殴られる。
その都度、あまりの衝撃に息が止まります。ぐふっ、となるわけです。

その当時は、目の前が総合病院という場所に住んでいたので、一歩一歩を慎重に踏みしめながら、その病院へ行きました。が、土曜日だったので、基本的に休診。系列の病院が徒歩10分の場所で診察をしているというので、そーっとそーっと歩いて、30分もかけて、そこへ辿り着きました。
すると医師は、首のレントゲン写真を撮ります。「えーと痛いの背中なんですけど」「ああはい、わかってます」やがて現像が仕上がり、出てきた頸骨の様子を見て頷く医師。
「あなた、首の骨が変形してます」
はぃい!?

医者の話を要約すると、つまりずっと同じ姿勢であったゆえ、頸椎のひとつふたつが、それを支えるのに便利なように変形している(=骨が妙な方向へ成長してしまった)。普段は問題ないが、急な運動や寝違えなどで頸椎の位置がほんのわずかでもズレると、その変形部分が神経を圧迫するのだ。それによってありもしない信号が脳へ送られ、痛みとして認識される。だから背中にはなーんにも問題はない。
「えと、んー、それじゃあ……」
自分は問いました。
「これから、何度でもクる可能性がある、と?」
「そうですねえ。この部分、ね、見えるでしょ? ここを削り取りでもしない限りは」
「け……削り、取る?」
「そうです。んー、この位置ですと、喉を切開して、食道や太い血管を避けながら、この部分へヤスリを当てて……」
「ヤスリを当てて?」
「ごしごしと」
「……ごしごしと」
「そうです」
「しかもすぐ横には、食道やら動脈やら静脈やら」
「そうです」
「え、ええと……その、今は……」
「多分、寝違えてるんでしょう。とりあえず湿布でも貼って、しばらくおとなしくしていれば、頸椎は自然と元の位置に戻ります」
「それ以後は……」
「ごしごししますか?」
ひいいっ。

結局その後、放置です。だってごしごしこわいもん。こわいもん。
で、さらに医者が言うには、「今回は背中に出ましたが、何分頸椎にはほぼすべての神経が通っていますから、次はどこにくるやらわかりません。とりあえず全身に可能性があります」とのこと。
ううううー。

で、まあ。
久々に今、ソレがキてるよ、と。
場所は再び背中です。棍棒+3で殴られるような感じです。ぐぅ。
しかし、背中以外にこれを感じたことはないんだよなぁ。クれば必ず背中。もしかすると、ほかのとこにもキてても、感じないのかもしれんのですが。とにかく背中。息も止まる。ぅっ。

しばらくおとなしくしていよう。つか、それしかできること、ないし。
それにつけても、あの時の医者。実はすごい名医なんじゃないのか。一発で間違えず首だと看破したんだものなあ。