かどいの『I'm in Rock!-Ⅱ』

ある文筆業者(分泌業者ではない)の生存証明。基本的に毎日更新。

ネタバレ的あとがきと次回予告

 はい、おつかれさまでした。
 以上にて、リンゴーさんのお話は終了。気がつきゃなんと7週間にも渡ってリンゴーが続いていたことになる。こっちはできあがってる分を順次アップするだけだったが(といっても毎日アップ分には目を通して、何箇所かは修正していたが)、毎日読む側は大変だったんではなかろうか。
 一度のアップ量もそこそこあったから、一日休んだらもう……なんてひともいらしたかもしれない。どうあれ、おつかれさまでございました。

 アップ前にも触れたが、これを書く直前は暗くて重い話と延々数年間もつきあっていて、そのプレッシャーから解放された勢いでこれにとりかかった。
 最初は、第一章分(倉庫から出るまで)だけを書いたのね。リクとのこまかいやりとりもなにもなく、ただカツアゲに出会って、飯食って、いきなり倉庫。
 書いてみて楽しかったから、じゃあ、と前後をくっつけた。
 書き上がってみたら、意外に暗くなっていた。どうも暗いのは、俺の性分らしい。

 で、全体を構築する時、イメージとしてもっていたのが The Cars の『Heartbeat City』って曲だったの。終盤の“内臓”巡りの時には、この曲を聴きながら書いてた。
 そもそもリンゴーの体格って、Cars のメインシンガー、リック・オケイセック Ric Ocasek から丸まんま頂いてます。(歌ってるひとね、念のため)

 顔だちはこのひとからいただいた。声も。

 後日、大泉洋の『探偵はBarにいる』を観てびっくり。立ち居振る舞いまるごとリンゴー。あれで背丈があれば、まんまハマる。って、うーん、作者がこんなこと書いてていいのか。本来ならキャラのイメージとかは読者に託して、作者は作品以外なにも語らない方がいいんじゃないのか。まあいいか。この際だ、もっといっちゃえ。
 ヴィレンは『私をスキーに連れてって』の頃の沖田浩之。イダは張国栄(レスリー・チャン)。張国栄がこれを書きあげたちょっとあとに死んじゃったのには驚いた。沖田浩之はその何年も前に死んでたけどね。どっちも自殺だったってのがなんだかね。んー。
 クラークは『人間の証明』の頃のジョージ・ケネディをぐっと太らせた感じ。
 セトくんは、俺が中学生だった頃に通っていた進学教室の同級生、瀬戸くんがモデルだったりする。彼、途中で教室辞めてっちゃったんだけど、元気だろうか。
 エイミのモデルはこのひと。

 で、リクに3D的モデルはいない。
 なんでかっていうとね。
 実はね。リンゴーのお話って、ヒロインがいないんだよね。
 エイミはあくまでもアイコンだし。だいたい本人、登場した時にはすでに壊されちゃってるし。じゃ、ヒロイン的な役柄はどーすんの? ってえと、リクが引き受けてくれちゃってるわけですな。
 だからリクは、性別的にはちゃんと男性なんだけど、行動とか思考とかがけっこう少女っぽい。これは全体像をプランした時に「あ、ヒロイン入れる余地がねえ」と気づいて、わりと無理やりにリクに背負わせた重荷だったのよね。
 だから強いて外見的モデルは、自分でもつくらなかったの。
 外見的モデルがあると俺は書きやすいんだけどね。

 そういう具合にキャラの具体的なイメージをつくってから書くのが俺の流儀なんです。だからたいがいの創作品には、実在のモデルがいる。もちろん中身は俺が勝手につくってるわけだけど。たとえば『witness』の美春だって、『さびしんぼう』の頃の冨田靖子だったりするんだな。
 そういう書き方、あんまりよくないらしいね。自分で自分のイメージを縛っちゃうから。でももういいの、いい加減年寄りだし。

 そうそう、ついでだけど。
 イダが持ってきた古いハンドガン、リンゴーが「キャラハンじゃない」とか言ってるからS&WのM29(.44マグナム)みたいな印象があるけど、実はスターム&ルガーのスーパー・レッドホーク、.480ルガー版です。ブルーモデルの方。
 今だったら多分、S&W M500辺りをもってくるんだろうな。いや、作中では特定していないから、「あれはM500のつもりで」とかいってもいいんだけどさ。Xフレームってなんか好きじゃないんだよな、妙に間延びしてて。やっぱスーパー・レッドホーク.480 の方がいいな。


 さて。
 年の瀬も押し詰まったこの時期この頃合いに、ただコピー&ペーストしていればいい素材が終わってしまったぞ。これは困った。ああ困った。明日からなにをすればいいのか。また「今日の――」とかやるか?……めんどくさいぞ。
 というわけで明日からは、また過去の創作を順次並べることにする。

 明日からのシリーズは短編で、元データのプロパティを見ると5年ぐらい前に書いたものらしい。某大手様からケータイ小説書かんかという話をもらって、試しに書いたプロト版。没った。そりゃそーだ、これ全っ然ケータイ小説じゃねえもの。
 普通の小説と考えても、大して出来はよくない。つか駄作に入れてもいいんではないか。だからこの作品群が普通に日の目を見ることは、まずあり得ない。
 というわけで、いかにもこの場に相応しいw
 全部で3本。十日ぐらいはもつだろう。そうすればとりあえず、年は越える。年を越したら、またなにか違うものが見えてくるかもだ。
 そんなわけで明日からは短編シリーズ、通しタイトルは『ボクとアイツと世界の限界』。(←今間に合わせに考えた)
 絶対に期待しちゃダメだ。約束だぞ。